神戸電鉄有馬線

神戸電鉄有馬線：六甲山を越える路線

神戸電鉄有馬線は、兵庫県神戸市兵庫区の湊川駅から同市北区の有馬温泉駅までを結ぶ、全長22.5kmの鉄道路線です。駅ナンバリングではKBという路線記号が用いられています。湊川駅から神戸高速線に乗り入れ、新開地駅まで運行される列車が全列車となっています。

有馬線は、六甲山地を最大50‰という急勾配で越え、神戸市中心部と古くから名湯として知られる有馬温泉を繋いでいます。各駅周辺には住宅地が広がっており、多くの利用者は通勤や通学の足として有馬線を利用しています。鈴蘭台駅からは、多くの列車が三田線に乗り入れるため、「有馬・三田線」と案内されることも多く、経路検索サイトなどではこの名称で表示されることが多いです。

路線データ

路線距離: 22.5km
軌間: 1,067mm
駅数: 15駅 (起終点駅を含む)
複線区間: 湊川駅 - 有馬口駅間
電化区間: 全線電化 (直流1,500V)
閉塞方式: 自動閉塞式
最高速度: 80km/h (谷上駅 - 有馬口駅間)
IC乗車カード: PiTaPaエリア全線対応

運行形態

全列車が湊川駅から神戸高速線に乗り入れ、新開地駅まで運行されています。ほとんどの列車は鈴蘭台駅から粟生線、有馬口駅から三田線に直通運転を行っています。朝夕には新開地駅 - 有馬温泉駅間の区間運転列車もありますが、原則として有馬口駅 - 有馬温泉駅間は折り返し運転となっています。その他、新開地駅 - 鈴蘭台駅・西鈴蘭台駅間の区間列車も運行されています。全線でワンマン運転を実施しています。

運行本数

ラッシュ時には、鈴蘭台駅以北を通過運転する優等列車が設定され、普通列車がその間合いを埋める形で運転されます。夕方ラッシュ時は15分間隔での運転を基本としています。日中の1時間あたりの運行本数は、粟生線直通2本、三田線直通4本です。有馬口駅 - 有馬温泉駅間は、三田線直通列車と接続する形で1時間に4本運転されています。鈴蘭台駅以北は、準急を含む各駅停車が15分間隔で運行されるシンプルなダイヤ構成となっています。

列車種別

有馬線と三田線、そして粟生線を含めた運行体系は複雑で、列車種別も歴史を通して変化を繰り返してきました。沿線の開発状況に合わせて、各列車の停車駅はたびたび変更されています。

現行の列車種別:

特快速: 1995年1[[1月26日]]のダイヤ改正で登場。有馬線・三田線における最速達種別で、平日朝のラッシュ時に三田発新開地行きが1日2本運行されています。三田線内では、岡場駅を出ると谷上駅までノンストップ運転を行い、谷上駅から先は急行と同じ停車駅となります。英語表記は"Special Rapid Express"。

急行: 三田線三田駅 - 新開地駅間で朝夕のラッシュ時に運転されています。2020年3月14日のダイヤ改正より花山駅が停車駅に追加されました。時刻表では青色、方向幕では赤色（LED車両はオレンジ色）で表示されています。

準急: 終日運転。丸山駅と鵯越駅を通過し、鈴蘭台駅以北は有馬線・粟生線とも各駅に停車します。日中は、上りは粟生線方面からのみ、下りは三田線方面行きのみ運転されます。

普通: 三田駅 - 新開地駅間と粟生駅・小野駅・志染駅 - 新開地駅間で終日運転。全駅停車。日中上りは三田線方面からのみ、下りは粟生線方面行きのみ毎時4本運転されます。


過去の列車種別:

特急: 1988年4月登場、1998年3月廃止。
快速: 三田駅発着と粟生・小野駅発着の快速が過去に存在しましたが、現在は廃止されています。
* 通勤急行: 沿線開発に合わせて設定されましたが、後に急行に統合されました。

駅一覧

全駅が兵庫県神戸市内にあります。新開地駅 - 湊川駅間は、神戸高速鉄道が線路を保有し、神戸電鉄が運行しています。

歴史

有馬線は1928年11月28日、湊川駅 - 有馬温泉駅間で開業しました。その後、路線延長や駅の新設・改称、複線化、そして神戸高速鉄道への乗り入れなど、幾多の歴史を刻んできました。阪神・淡路大震災による全線不通からの復旧や、近年では駅改良やワンマン運転の拡大など、現在も進化を続けています。

まとめ

神戸電鉄有馬線は、歴史と進化を遂げながら、現在も神戸市民の生活に欠かせない重要な交通手段として機能しています。六甲山地という自然環境の中を走る、魅力あふれる路線です。

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