私と私

『私と私』

『私と私』は、1962年8月11日に東宝系で公開されることとなった、日本のミュージカルドラマ映画です。上映時間は90分でカラー形式、映画のスタイルは東宝スコープです。キャッチコピーには「私は誰ァれ? 貴方は私? 歌と笑いの青春明朗篇!」という楽しいフレーズが用いられています。

この作品は、人気双子デュオ「ザ・ピーナッツ」が東宝で初めて主演を務めた映画です。物語は、生き別れになった双子の姉妹が再会し、共に「ザ・ピーナッツ」として音楽の道を歩み始める様子を描いています。このストーリーは、エーリッヒ・ケストナーの名作『ふたりのロッテ』を思わせる要素があり、心温まる内容となっています。

映画の魅力は、主役の双子の歌手たちだけではありません。助演として、ハナ肇とクレージーキャッツ、田辺靖雄、さらには当時の人気を集めていた中尾ミエや伊東ゆかりといった渡辺プロの歌手たちが名を連ねています。特に、クレージーキャッツは前作『ニッポン無責任時代』に続き出演しており、劇中にはお遊び的なセリフも存在します。このようなユーモアは、観客に楽しさを提供しています。

スタッフ

本作品を支えたスタッフには、製作の杉原貞雄、山本紫朗、原作を手がけた中野実（週刊平凡で連載）や、脚本を担当した笠原良三などが名を連ねています。また監督には杉江敏男が、撮影は完倉泰一が行い、音楽は中村八大が担当しています。さらに美術は阿久根巌、照明は猪原一郎、録音は伴利也、スチルは高木暢二が手掛けています。これだけの才能あるスタッフが集まることで、映画は質の高い仕上がりとなっています。

主な出演者

• - 伊藤エミ（ザ・ピーナッツ）
• - 有島一郎（赤城庄吉）
• - 伊藤ユミ（ザ・ピーナッツ）
• - 淡路恵子（山本よし江）
• - 宝田明（衣笠昭彦）
• - 田辺靖雄（吉田三郎）
• - ハナ肇（荒木社長 / ハナ肇とクレージーキャッツ）
• - 植木等（上田マネージャー / 同上）
• - 沢村いき雄（吉田平吉）
• - 北川町子（里子）
• - 田辺和佳子（ゆき）
• - 石橋エータロー（斎藤 / ハナ肇とクレージーキャッツ）
• - 犬塚弘（司会者 / 同上）

さらに、井上ひろし、中尾ミエ、伊東ゆかりなどの有名な歌手たちも出演し、作品に華を添えています。挿入歌には「私と私」や「スーダラ節」、「ちゃっきり節」など多彩な曲があり、観客に歌と笑いを提供します。

同時上映

『私と私』は、同時に『キングコング対ゴジラ』が上映されましたが、こちらの作品の脚本は関沢新一が担当し、特技監督には円谷英二、監督には本多猪四郎が名を連ねています。また、これが東宝創立30周年記念映画として位置づけられています。この作品は2週間で上映が終了しましたが、続けて『キンゴジ』は1週間の延長が行われ、その期間中は『おとぎの世界旅行』というアニメ映画が代わりに上映されました。

参考資料

本作に関する情報は、キネマ旬報などで読むことができます。同作のストーリーラインは、双子の物語に強く影響を受けたものとなっています。関連する作品としては、『可愛い花』や『夢で逢いましょ』が挙げられ、この後の東宝でのザ・ピーナッツ主演作である『若い仲間たち うちら祇園の舞妓はん』も予定されています。

このように、『私と私』は多くの才能とユニークな物語が組み合わさり、観る人々に多くの楽しみを提供する作品となっています。

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