稲戸井駅

稲戸井駅について

稲戸井駅（いなといえき）は、茨城県取手市米ノ井に位置する関東鉄道常総線の駅です。この駅は、取手市の旧稲戸井村に位置し、地域の交通の要所となっています。駅の周囲には商店街が広がり、住環境も整っています。

駅の歴史

稲戸井駅の歴史は、1913年（大正2年）11月1日に遡ります。この日に常総鉄道が開業し、同時に駅が設置されました。1945年（昭和20年）には、筑波鉄道（初代）との合併により常総筑波鉄道の駅とされ、1965年（昭和40年）には鹿島参宮鉄道との合併により現在の関東鉄道の駅となりました。

その後、1982年（昭和57年）12月8日に寺原駅から南守谷駅の間が複線化され、2009年（平成21年）3月14日からはICカードPASMOが利用可能になりました。2010年（平成22年）2月16日には、一部時間帯で駅員無配置の運用が始まり、2013年（平成25年）5月16日には終日無人駅とされました。

駅名は、旧村名の稲戸井村に由来しています。この村名は、「稲」、「戸頭」、「野々井」、「米ノ井」といった地域名を組み合わせたものです。

駅の構造とのりば

稲戸井駅は地上駅で、相対式ホームが2面2線設けられています。駅の構内には下館寄りに踏切があり、上りホームと下りホームにはそれぞれ2両分程度の屋根がありますが取手寄りには屋根がありません。2008年にはホームの段差を縮小する工事が行われ、車椅子利用者向けのスロープが設置されるなど、バリアフリー化が進められています。

ここでは、上り列車が寺原・取手方面、下り列車が守谷・小絹・水海道・下妻・下館方面に向かう運行形態があり、特に日中はそれぞれの方面に約1時間に3本の普通列車が停車します。その利用状況は、地域住民や通学・通勤客にとって重要な役割を持っています。

駅周辺の施設

駅の周辺には、旧稲戸井村の中心に位置する商店街があり、取手市立永山中学校や小学校、稲戸井郵便局などの教育機関や公的施設も揃っています。南側の地区は住宅が多く、閑静な環境が広がっています。具体的には、国道294号、グリーンスポーツセンター、医師会病院、竜禅寺といった地域の重要な施設が点在しています。

さらに、駅からはバス路線も利用可能で、駅前右側に「稲戸井駅バス停」があり、南側の国道294号沿いには「桔梗塚バス停」があります。これにより、地域との接続もスムーズに行われています。

映画撮影地としての稲戸井駅

また、稲戸井駅は2018年6月公開の映画『名前』の撮影にも使用され、この駅で主人公中村正男と彼の娘を名乗る葉山笑子が再会を約束する場面が展開されます。映画が地域に与えた影響も大きく、観光資源としての側面も期待されます。

まとめ

稲戸井駅は、地域の歴史や文化を体現する重要な交通拠点であると同時に、周辺施設や利便性の面でも多くの利用者に愛されている駅です。今後も地域との連携を深めつつ、交通の便を維持していくことが求められています。

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