空母航空団

空母航空団について

空母航空団（Carrier Air Wing, CVW）は、アメリカ海軍の航空母艦に搭載される航空機部隊のことを指します。この航空団は、航空機の運用を専門とする「フォース・ユーザー」にあたり、複数の飛行隊で構成されています。2020年時点では、戦闘攻撃機、電子戦機、早期警戒機、輸送機、そしてヘリコプターが含まれ、その総数は70機前後に上ります。

フォース・プロバイダーとフォース・ユーザー

空母航空団は、アメリカ海軍の戦力や能力を最大限に発揮するための重要な役割を担っています。航空団の編成と運用は、フォース・プロバイダー（戦力供給者）とフォース・ユーザー（戦力運用者）の明確な区別の上に成り立っています。例えば、航空機の種類ごとに編成された本土の航空団がフォース・プロバイダーとして機体を供給し、空母航空団はそれを統合し、実際の任務にあたります。

空母航空団の編制の歴史

空母航空団の編制は時代によって変化してきました。第二次世界大戦中の1940年代には、空母航空団は艦上戦闘機や雷撃機、偵察機で構成されていました。その後1943年にエセックス級の空母が増強されると、編成がより多様化しました。戦後、航空機の進化に伴い、艦上機もジェットエンジンを搭載した機種が導入され、構成も変わっていきました。

冷戦期には、戦術や技術の変化に応じて新たな機体が導入され、さらに大型化・高性能化が進みました。この時期には、核攻撃能力を持つ機体の導入や、対潜任務を目的とした航空機の編成も行われました。1960年代には、ベトナム戦争を背景に、アメリカ海軍の航空力が一層強化されました。

現代の空母航空団

1990年代にはF/A-18 ホーネットが導入され、戦闘攻撃飛行隊（VFA）が新たに編成されました。これに遅れることなく、従来の機体が次々と新型機に更新され、戦力の革新が進みました。加えて、無人機の導入も視野に入れられ、今後の運用体制に変化が見られることでしょう。

2020年の編成例では、F/A-18E/FスーパーホーネットとF-35CライトニングIIが中心となり、電子戦機や早期警戒機、支援機の他、各種ヘリコプターとの連携が求められています。

まとめ

空母航空団は、アメリカ海軍の戦力投射能力を象徴する重要な部隊であり、歴史的にも進化を遂げてきました。これからの技術革新と戦術の変化に応じて、今後どのようにその編成が変化していくのか、注視する必要があります。

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