続拾遺和歌集

『続拾遺和歌集』（しょくしゅういわかしゅう）は、鎌倉時代に編纂された勅撰和歌集であり、「二十一代集」の中で12番目に位置づけられています。全20巻から構成され、その編纂は建治2年（1276年）に亀山上皇の命によって開始され、弘安元年（1278年）に完成し奏覧されました。ただし、編纂の下命は文永11年（1274年）であった可能性も指摘されています。

選者は二条為氏が務めました。和歌所開闔は当初、源兼氏が担当していましたが、彼の死に伴い、為氏の弟である慶融がその役を引き継ぎました。この和歌集には序文がなく、現存する流布本には1461首の和歌が収録されています。

部立は、春（上下）、夏、秋（上下）、冬、雑春、雑秋、羈旅、賀、恋（1～5）、雑（上中下）、釈教、神祇という構成になっています。主な歌人としては、藤原為家が43首、後嵯峨上皇が33首、藤原定家が29首、西園寺実氏が28首、藤原俊成が22首、藤原信実が21首など、多くの歌人の作品が収録されています。また、この和歌集には武士の歌が約80首含まれており、その多様性から「鵜舟集」という異名も持っています。

歌風については、『続後撰和歌集』に見られる平淡な歌風を継承しつつ、優雅で穏健な歌風が特徴であると評されています。和歌の持つ美しい調べや、繊細な感情表現が、この和歌集全体にわたって感じられます。

『続拾遺和歌集』は、その成立背景や収録された歌の内容、そして歌風を通して、鎌倉時代の文化や人々の感性を知る上で非常に重要な資料となっています。この和歌集を通じて、当時の社会や人々の生活、そして美意識を深く理解することができるでしょう。


参考文献

* 『続拾遺和歌集　和歌[[文学大系]]7』小林一彦注解、明治書院、2002年

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