和歌文学大系

和歌文学大系：日本和歌の精髄を網羅する大規模全集

『和歌文学大系』は、明治書院より1997年から刊行されている、日本和歌の包括的な全集です。万葉集に始まる古代和歌から近代短歌まで、日本の文学史を彩る数々の和歌作品を網羅した、まさに和歌文学の集大成と言えるシリーズです。

久保田淳氏を監修者として、全80巻（別巻1巻を含む）の刊行を予定しており、現在も刊行が続けられています。各巻には、単なる作品集にとどまらず、作品に付随する詳細な注釈や解説が掲載されていることが大きな特徴です。

注釈と解説の充実

各巻に収録されている和歌作品には、丁寧に書かれた注釈が添えられています。単なる現代語訳にとどまらず、作品が作られた時代背景や成立経緯、作者の心情、作品に込められた意味などを多角的に解説することで、読者によるより深い理解を促します。さらに、それぞれの和歌作品に関する研究史や伝本の情報も提供することで、作品を多面的に理解する助けとなっています。

鑑賞のポイントについても解説されており、和歌作品を単に読むだけでなく、その奥深さや美しさをより深く味わえるよう工夫されています。

収録作品と刊行状況

『和歌文学大系』には、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集など、誰もが知っている代表的な和歌集はもちろんのこと、多くの歌人による歌集や歌合集なども収録されています。収録されている作品は多岐に渡り、日本和歌文学の広がりと奥深さを実感できます。

シリーズの刊行は順次進んでいますが、全巻の刊行にはまだ時間がかかります。既に刊行済みの巻には、万葉集、古今和歌集、新勅撰和歌集、後撰和歌集など、重要な和歌集が含まれています。また、中世や近世の歌集、そして近代短歌の作品も多数収録されており、時代を超えた和歌の魅力を堪能できます。

以下に、一部の収録作品を例として挙げます。

『萬葉集』
『古今和歌集』
『新勅撰和歌集』
『後撰和歌集』
『拾遺和歌集』
『後[[拾遺和歌集]]』
『新古今和歌集』
『千載和歌集』
『新葉和歌集』
『人麻呂集』
『小町集』
『紫式部集』
『式子内親王集』
『後鳥羽院御集』
『与謝野晶子歌集』
『斎藤茂吉歌集』
* その他多数の歌集、歌合集

なお、刊行予定の作品も多く残されています。

月報の発行

『和歌文学大系』の特徴として、各巻に「和歌文学大系月報」が付属している点が挙げられます。これは、シリーズ全体の刊行状況や、収録作品に関する最新の研究成果などを紹介するもので、読者にとって貴重な情報源となっています。

まとめ

『和歌文学大系』は、単なる和歌の全集にとどまらず、日本の和歌文学を深く理解するための包括的な研究資料として、高い価値を持っています。和歌に興味を持つ全ての人にとって、必携の一大プロジェクトと言えるでしょう。その膨大な収録作品、詳細な注釈と解説、そして最新の研究成果を伝える月報によって、日本の和歌文学への理解を深め、その魅力を存分に味わうことができるでしょう。

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