網引駅

網引駅の概要

網引駅（あびきえき）は、兵庫県加西市網引町に所在する、北条鉄道北条線の駅です。この駅は地域の交流の場としても利用されており、特にボランティア駅長による「切り絵教室体験in網引駅」が毎月第2および第4月曜日に開催されています。このイベントは、地元の方々と訪れた人々との繋がりを深める貴重な機会となっています。

歴史

網引駅の歴史は1915年3月3日に遡ります。この日、播州鉄道粟生駅から北条町駅間の開通と同時に網引駅も開業し、旅客や貨物の取り扱いを開始しました。1923年には播丹鉄道の駅となり、その後1943年には国有化により鉄道省（国鉄）の駅になりました。

1945年に発生した「北条線列車脱線転覆事故」は、この駅の悲劇的な歴史の一部です。日本海軍の戦闘機「紫電改」が当駅近くで不時着し、線路がゆがむ未曾有の事態が発生し、11名の死者と104名の負傷者を出す惨事となりました。1962年には貨物の取り扱いが廃止され、1973年には無人駅となりましたが、一時的に駅員が配置されることもありました。1984年に駅舎が放火されて焼失し、1985年からは北条鉄道の駅として再スタートを切りました。

その後、駅舎は2013年に再建され、周辺は播磨中央自転車道の中間休憩所として整備されました。このエリアには、最新式のトイレや駐車場、駐輪場、そして花壇が設置されており、地域住民との交流を図る憩いの場としての役割も果たしています。

駅の構造

網引駅は単式ホーム1面1線を持つ地上駅で、ホームは線路の北側に位置しています。駅前には大きなイチョウの木があり、加西市の「ふるさとの樹」として認定されています。また、駅の北側には「列車転覆事故殉難の地」という碑が設置され、当時の悲劇を今に伝えています。このように、駅周辺は歴史的な遺産も豊富に存在しています。

駅の南側には万願寺川が流れ、駅からは下里川の合流点へもほど近い位置にあります。周囲は田畑が広がり、静かな環境が広がっています。また、加西南産業団地が駅の南側に位置し、周辺には地元の観光スポットや施設も点在しています。

周辺施設

駅周辺には新鮮野菜直売所「まいどあびき」などの地元の特産物販売所があります。また、加西警察署の網引駐在所も近くにあり、周辺の治安を守っています。周辺環境は自然豊かで、地域住民の生活のなかでも重要な交通拠点として機能しています。

利用者は少ないながらも、地元の人々と訪問者が交流できる場所を提供している網引駅は、今もなお地域に貢献しています。

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