総武物流

総武物流株式会社の概要と歴史

総武物流株式会社は、千葉県野田市に本社を置き、キッコーマンの傘下に属する物流サービスを提供する企業です。古くから日本の醤油の生産地として知られる野田市に根付いており、その歴史は江戸時代にさかのぼります。

歴史の始まり

江戸時代中期、江戸川は醤油の輸送路として重要な役割を果たしていました。この時代、江戸川の河岸には船問屋が存在し、醤油樽は高瀬船に積み込まれ、江戸へと運ばれていました。多くの個人船頭たちが協力し、大正9年には「野田船業株式会社」を設立しましたが、これは大正13年に解散を迎えました。

鉄道とトラックの進化

その後、昭和29年に公司名が「總武通運株式会社」に変更され、内湾航路としての船舶部門を廃業しました。明治時代に入ると、野田町の工場と江戸川を結ぶ人車鉄道が設立され、醤油70樽（約2トン）がトロッコで運搬されるようになりました。この時期、鉄道貨物輸送が本格化し、大正11年には野田醤油醸造組合が北総鉄道株式会社を設立します。さらに、大正13年には、船問屋と野田醤油が合併し、野田運輸株式会社が設立されました。ここから、船舶と自動車による輸送事業が開始されますが、大正14年にはもう一つの重要な鉄道の動きとして、野田人車鉄道が営業を停止しました。

第二次世界大戦中の昭和19年、政府は総武鉄道の東武鉄道への合併を命じました。しかし、主力商品であった醤油のおかげで、戦争の影響を受けることはありませんでした。

トラック輸送の拡大

昭和30年代に入り、トラック輸送が急速に拡大。特に昭和39年には、鉄道からトラックへのシフトが進み、重要な輸送手段として定着しました。野田醤油株式会社は、昭和39年に「キッコーマン醤油株式会社」と社名を変更。昭和45年には新たに野田トレーラー運輸株式会社を設立しますが、翌昭和57年には荷主の鉄道からの離れが進み、東武野田線での鉄道貨物輸送はついに昭和60年に廃止されました。この動きの中で、野田トレーラー運輸は昭和63年に社名を野田物流サービス株式会社に改めます。

そして、平成6年には總武通運が野田物流サービスと合併し、総武物流株式会社が誕生しました。これにより、両社の強みを活かしつつ、より効率的な物流サービスの提供を目指しています。

総武サービスセンターの設立

総武物流株式会社のグループ企業として、株式会社総武サービスセンターも存在します。こちらは食品の詰合せや包装作業を主な事業内容としており、1968年に設立されました。1994年には、キッコーマンびんセンターが総武サービス株式会社と合併し、現在の形となりました。

まとめ

総武物流株式会社は、長い歴史を有する企業であり、醤油輸送から始まり、様々な物流形態の変遷を経て、現在の形に至ります。今後も地域社会のニーズに応えつつ、安定した物流サービスを提供していくことが期待されています。

もう一度検索