美深駅

美深駅：宗谷本線沿いの拠点駅

北海道中川郡美深町に位置する美深駅は、北海道旅客鉄道（JR北海道）宗谷本線の駅です。駅番号はW54。かつては美幸線が分岐しており、特急「宗谷」と「サロベツ」を含む全列車が停車する、地域にとって重要な交通拠点となっています。

歴史と変遷

美深駅の歴史は1911年11月3日に遡ります。名寄駅と恩根内駅間の開業に伴い、「ピウカ」という駅名で誕生しました。その後、1942年には美深森林鉄道が開設され、さらに1951年には駅名の読み方が現在の「びふか」に変更されています。美深森林鉄道は1956年に廃止されましたが、1964年には美幸線が新たに開業。駅周辺は、鉄道と共に発展を遂げてきました。

国鉄分割民営化後の1987年には、それまでの木造駅舎が解体され、現在ある「美深町交通ターミナル」として生まれ変わりました。このターミナルには、売店や観光協会、観光案内所などが集積し、地域住民や観光客の利便性を高めています。さらに、2階には美幸線資料室も設置され、地域の鉄道史を伝える役割も担っています。駅舎の屋上には、美幸線の廃止を偲んで「美幸の鐘」が設置されており、特急「宗谷」到着時や15時に鳴らされる、地域に愛着のある鐘として知られています。

近年では、2016年よりみどりの窓口の営業を終了し、美深町が窓口業務を簡易委託駅として受託する体制に移行しています。

駅構造と周辺環境

美深駅は相対式ホーム2面2線の地上駅で、ホーム間の移動には跨線橋を利用します。名寄駅が管理し、美深町が受託する簡易委託駅として運営されています。窓口では、道内在来線の乗車券、特急券、指定席券、定期券などを購入できます。

駅周辺には、美深町役場、美深警察署、美深郵便局などの公共機関に加え、金融機関、JA、高校、そして美深町文化会館など、生活に必要な施設が充実しています。国道40号と国道275号が交差する交通の要衝でもあることから、バス路線も発着しており、地域社会の中枢を担う存在と言えます。

駅名の由来

駅名は、開業当時の所在地名である「下名寄村字ピウカ」に由来します。1920年には「ピウカ」が自治体名となり、その後、美深村（後の美深町）の発足と同時に現在の読み方に変更されました。

利用状況と今後の展望

美深駅の利用状況は、時代の変遷とともに変化しています。近年は、自動車の普及や人口減少などの影響を受けていますが、依然として地域住民や観光客にとって不可欠な交通手段となっています。今後も、地域住民の生活を支えるとともに、観光客誘致のための拠点として、更なる発展が期待されています。

隣の駅

宗谷本線では、智恵文駅と初野駅に隣接しています。かつては美幸線も分岐しており、美深駅から東美深駅へと繋がっていました。

参考文献

美深駅の詳細な歴史や現状については、JR北海道の公式ウェブサイトや関連書籍などを参照ください。

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