群書類従
群書類従とは
『群書類従』は、塙保己一が編纂した国学や国史に焦点を当てた重要な叢書です。この作品は、塙が日本の古書の散逸を懸念したことから始まりました。1779年、彼は北野天満宮において刊行の誓いを立て、江戸幕府や様々な大名、寺社、公家などの力を借りて古書を収集し、編纂を進めました。
この叢書には、古代から江戸時代初期までに書かれた史書や文学作品、合計1273種が収められており、全530巻、計666冊に及びます。『群書類従』の正編は、寛政5年から文政2年の間に木版印刷で刊行され、以来、日本の歴史学や国文学、さらには国学の学術的研究において大きな貢献を果たしてきました。
構成および続群書類従
『群書類従』の正編は、全25部に分けられ、550巻以上が収められています。続いて、塙が計画し、彼の死後に弟子たちが引き継いだ『続群書類従』も存在します。この続編は、2103種、1000巻、1185冊という規模で、1902年から1914年にかけて活字本として刊行されましたが、このプロジェクトは第19輯で中断しました。その後、1922年には「続群書類従完成会」が設立され、1923年から1928年にかけて未刊行の部分が出版されました。さらに、1969年や1972年には欠本の調査が進み、続々と刊行が行われ、最終的には完結を迎えました。
版木と印刷の影響
塙保己一は、群書類従の版木製作において、文字数や行数を統一することに注力しました。具体的には、20字×20行の400字詰めに統一され、これは今日の原稿用紙の基本的な形態の起源ともなっています。群書類従の版木は、温故学会によって保管されています。
明治時代以降の展開
明治時代以降、国書刊行会によって『続々群書類従』や『新群書類従』といった新たな叢書も編纂されました。これらは、国書の再編や新たな資料の収集を目的とし、多様なジャンルにわたる文学作品や史料を集める役割を果たしました。しかし、2006年に「続群書類従完成会」が倒産すると、その後の出版事業が八木書店に引き継がれました。さらに、2014年にはジャパンナレッジ上で、群書類従およびその続編の全文がデータベース化され、広くアクセス可能となっています。
文献研究の重要性
『群書類従』に収められている文献は、日本の歴史、文化、芸術、芸能を知るための基本的な資料とされています。これらの文献に対する研究は、他の資料と比較しても盛んであり、古典文学や歴史学の研究者にとって重要な資源となっています。このように、群書類従は日本の文化遺産において欠かせない位置を占めており、その重要性は今なお広く認識されています。
参考文献
関連項目
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