聖隷福祉事業団

社会福祉法人聖隷福祉事業団：発展の歴史と多様な事業展開

社会福祉法人聖隷福祉事業団は、1930年5月、結核を患う青年への支援を目的として、長谷川保氏らキリスト教青年によって設立されました。創立以来、医療と福祉の向上に尽力し、今日では全国規模で事業を展開する大規模な社会福祉法人へと成長を遂げています。

設立と発展の歩み

その始まりは、わずか数人の若者による小さな病室建設でした。しかし、設立から10年後の1939年、資金難により事業継続が危ぶまれる事態に陥ります。絶望的な状況の中、翌12月25日、昭和天皇から5,000円の下賜金が授けられ、奇跡的に事業は継続されることとなりました。この出来事を転機に、聖隷福祉事業団は着実に規模を拡大し、多様な事業を展開する組織へと発展していきます。

幅広い事業内容

聖隷福祉事業団は、医療、介護、福祉、高齢者支援など、多岐にわたる事業を展開しています。

医療保健事業では、複数の総合病院や健康診断センターを運営し、地域住民の健康維持・増進に貢献しています。
福祉サービス事業では、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、軽費老人ホーム、身体障害者療護施設など、多様な介護サービスを提供しています。また、訪問介護ステーションや在宅サービス事業にも力を入れており、高齢者や障害者の生活を支えています。
高齢者公益事業では、有料老人ホームやケア付高齢者住宅を運営し、高齢者の住まいと生活の安心を確保しています。
その他にも、収益事業として貸事務所などを運営しています。

全国規模の事業所ネットワーク

現在、聖隷福祉事業団は1都8県（東京都、千葉県、神奈川県、静岡県、奈良県、兵庫県、愛媛県、鹿児島県、沖縄県）に162の施設（2021年3月現在）を展開しています。主要な事業所は、千葉県佐倉市、松戸市、浦安市、東京都八王子市、神奈川県横浜市、横須賀市、三浦市、静岡県浜松市、森町、磐田市、奈良県北葛城郡、兵庫県神戸市、宝塚市、淡路市、愛媛県松山市、鹿児島県奄美市、大島郡、沖縄県中頭郡などに点在しています。

主要施設と関連団体

聖隷福祉事業団は、多くの関連施設や団体と連携して事業を展開しています。
特に重要な施設としては、聖隷三方原病院、聖隷浜松病院、聖隷横浜病院、聖隷佐倉市民病院、聖隷淡路病院など複数の総合病院があります。これらの病院は、地域医療の中核を担っており、高度な医療を提供しています。また、浜松市リハビリテーション病院や袋井市立聖隷袋井市民病院など、指定管理者として運営する施設もあります。

関連団体としては、公益財団法人ニッセイ聖隷健康福祉財団、一般財団法人日本老人福祉財団、聖隷学園、聖隷クリストファー大学、聖隷クリストファー中・高等学校などがあります。

国際的な支援活動

聖隷福祉事業団は、国内のみならず、国際的な支援活動にも取り組んでいます。イラク戦争で負傷した子どもとその父に対して、聖隷沼津病院で白内障手術を行い、支援した実績があります。

スポーツ支援

聖隷浜松病院の整形外科は、サッカーJリーグジュビロ磐田の医療サポートを担当しています。

未来への展望

聖隷福祉事業団は、設立以来、常に社会のニーズに応えるべく、事業を拡大・発展させてきました。今後も、医療・福祉サービスの向上に努め、地域社会に貢献していくことが期待されます。

沿革と発展：困難を乗り越え、成長を続ける聖隷福祉事業団

聖隷福祉事業団の歩みは、設立当初からの困難と、それを乗り越えるための不断の努力の物語でもあります。昭和天皇からの下賜金は、事業継続の危機を救い、現在の大規模な組織へと発展する礎となりました。

聖隷福祉事業団の設立から現在に至るまでの歴史は、社会貢献への強い意志と、地域社会との深い繋がりを示すものです。今後も、聖隷福祉事業団の活動は、多くの人々の生活を支え、より良い社会づくりに貢献していくでしょう。

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