萩ノ茶屋駅

萩ノ茶屋駅：南海高野線の駅 - 歴史と周辺環境

大阪市西成区に位置する南海電気鉄道高野線の萩ノ茶屋駅は、NK04の駅番号を持ちます。南海本線に属するものの、運行系統上は高野線の列車のみが停車するユニークな駅です。

駅名の由来と歴史

駅名は、かつてこの地域にあった「萩の茶屋」に由来します。この茶屋は、今宮戎神社北方にある広田神社門前にあった「萩の茶屋」の支店でした。紅白の萩が植えられていたことからその名がついたと伝えられています。現在の駅所在地は西成区萩之茶屋ですが、1973年以前は東萩町でした。駅自体は1907年の開業以来、「萩ノ茶屋」という駅名で親しまれてきました。

線路構造と運行形態

萩ノ茶屋駅を含む難波駅～岸里玉出駅間は、南海本線に属しながらも南海本線と高野線の重複区間となっています。線路は線路別複々線構造で、萩ノ茶屋駅と今宮戎駅には高野線列車用の東側2線にのみホームが設置されています。西側2線は南海本線の列車が通過します。かつては東側2線を通る南海本線各駅停車も存在しましたが、現在は高野線の各駅停車のみが停車します。そのため、特急利用者は天下茶屋駅で南海本線に乗り換える必要があり、以前は和歌山市や関西空港方面へのアクセスに不便さを抱えていました。1984年から1993年には、南海天王寺支線の廃止に伴い、今池町駅との間を徒歩連絡としていました。

歴史的変遷

1907年12月20日: 南海鉄道恵美須駅（現・今宮戎駅）～天下茶屋駅間に開業。
1937年11月1日: 高野線用東線高架化開始。
1938年9月10日: 高架化完成。
1944年6月1日: 近畿日本鉄道に合併。
1947年6月1日: 南海電気鉄道に路線譲渡。
1970年11月23日: 南海本線東線各駅停車廃止。高野線各駅停車のみの停車に。
* 2012年4月1日: 駅ナンバリング導入。

駅構造と設備

萩ノ茶屋駅は島式1面2線の高架駅で、ホーム有効長は6両分です。上り線西側には南海本線列車用の線路が敷設されています。2階にホーム、1階に改札口があり、ホームとコンコース間にはエレベーターも設置されています。新今宮駅とは約600mしか離れておらず、ホームから新今宮駅のホームや停車中の電車が見える近さです。

利用状況と周辺環境

2019年の1日平均乗降人員は約1,553人でした。駅周辺には花園北本通商店街や萩之茶屋本通商店街があり、生活に便利な環境です。Osaka Metro四つ橋線花園町駅、阪堺電気軌道阪堺線今池停留場・今船停留場も比較的近距離にあります。その他、学校、病院、金融機関、商店などが周辺に点在しています。あいりん地区も近隣に位置しています。

文化的側面とモデル地説

萩ノ茶屋駅舎やガードの雰囲気が、漫画『じゃりン子チエ』に登場する「西萩駅」に似ていることから、同作品のモデル地とされることがあります。作品舞台も「西萩」であり、かつて駅西側に西萩町という地名が存在したことも、この説を裏付ける材料となっています。

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