藤田貴大

藤田貴大 - 劇作家・演出家

藤田貴大（ふじた たかひろ、1985年4月27日生）は、北海道伊達市出身の日本の劇作家および演出家です。彼は「マームとジプシー」という劇団を主宰し、独特の作風と多様なコラボレーションで知られています。

経歴

藤田は、10歳の頃に地元の市民劇団パラムに子役として参加しました。この経験が彼の創作活動の基盤となり、高校では演劇部に所属。高校生の時に演出した作品『りんごの木』が全国高等学校演劇大会でベスト4に選ばれ、その才能を評価されました。この審査を務めていた平田オリザからの指導を受け、彼は桜美林大学の文学部に進学します。

大学時代に「荒縄ジャガー」という劇団を立ち上げましたが、2007年に大学卒業と同時に「マームとジプシー」を旗揚げします。初めての公演を終えた後、書店でのアルバイトをしながら演劇活動を続け、また一度は社員としての道を考えますが、2008年からは横浜の小劇場で公演を重ねます。

2011年には『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』が第56回岸田國士戯曲賞を受賞。以降も受賞歴は続き、2014年には『cocoon』で第63回横浜文化賞文化・奨励芸術賞を受賞、新たな作風の確立に成功します。

作風と特徴

藤田の作品は、象徴的なシーンを様々な角度から繰り返し見せる「リフレイン」を特長としています。役者の個性を作品に活かし、リアリティに溢れたドラマを構築することで、観客との深い共鳴を生み出します。また、彼の演出は、視覚的な要素を最小限に抑え、モノローグや対話を巧みに組み合わせることで、時には小説的と評されることもあります。音楽アルバムのように、細やかな部分で構成された作品も特徴です。

代表作とコラボレーション

藤田は、数多くの劇作家、演出家とのコラボレーションを行っており、「マームと誰かさん」シリーズでは大谷能生や飴屋法水などと共に作品を作り出しています。また、川上未映子との詩を基にした公演や全国ツアー『まえのひ』、その続編『みえるわ』での協働もありました。

エピソード

著名な演出家、蜷川幸雄との交流は特に有名で、彼の舞台『cocoon』を観た蜷川が藤田に直接声をかけ、以降は藤田が彼の半生を描いた戯曲『蜷の綿』を書くきっかけとなりました。このように、多くの人と交流しながら自身の作風を磨き続けている藤田は、今後の日本の演劇界においても注目される存在です。

まとめ

藤田貴大は、独自の作風と多彩なコラボレーションを通じて、日本の演劇シーンに深く影響を与えている劇作家・演出家です。彼の創作活動は、観客に新たな視点を提供し続け、多くの賞を受賞するなど、今後も目が離せない存在です。

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