蘭留駅

蘭留駅：歴史と現在を繋ぐ宗谷本線沿線の駅

蘭留駅は、北海道上川郡比布町に位置する北海道旅客鉄道（JR北海道）宗谷本線の駅です。1898年（明治31年）11月25日、北海道官設鉄道天塩線の延伸開業に伴い設置されました。当初は一般駅として、貨物輸送も盛んに行われていました。その後、宗谷線、宗谷本線と線名変更を経て、1949年（昭和24年）には日本国有鉄道に移管されました。

開業以来、蘭留駅は地域の重要な交通拠点として機能してきました。しかし、時代の変化とともに、貨物輸送の減少や利用客数の変化に対応するため、数々の改良工事が行われました。1961年（昭和36年）には駅舎の改修、構内の改良工事が実施され、1966年（昭和41年）には構内信号機が更新されました。さらに、1972年（昭和47年）には小口貨物の取扱いが比布駅に集約され、1974年（昭和49年）には貨物取扱いは完全に廃止されました。

1980年代に入ると、駅は無人化への道を歩み始めます。1984年（昭和59年）2月1日には荷物取扱いが廃止され、同年11月10日には駅員無配置駅となりました。その後、1986年（昭和61年）11月1日には電子閉塞化により完全無人化され、駅舎は1989年（平成元年）10月に改築されました。1999年（平成11年）には高速化工事のため、構内の改良が行われ、分岐器の変更などにより、1線スルー化されました。

近年では、JR北海道による宗谷本線の活性化策の一環として、蘭留駅の存廃問題が議論されました。2019年（令和元年）12月、JR北海道は沿線自治体に対し、当駅を含む29駅の存廃について協議を求めました。比布町では、住民説明会や町議会での議論を経て、2021年（令和3年）4月、比布町による維持管理に移行することを決定しました。これにより、蘭留駅は地域の努力により存続することとなりました。

蘭留駅は、相対式ホーム2面2線からなる構造で、構内踏切でホームが結ばれています。駅舎は1989年改築のものが現在も使用され、比布町が管理しています。無人駅ながら、快速列車の一部も停車するなど、地域の交通を支える重要な役割を担っています。

駅名の由来は、アイヌ語の「ランル（ran-ru）」で、「下る道」を意味し、塩狩峠から下ってくる峠道に由来すると言われています。駅周辺は国道40号や道央自動車道・旭川紋別自動車道比布ジャンクション、旭川紋別自動車道比布北インターチェンジなどに近く、交通アクセスにも恵まれています。蘭留簡易郵便局や道北バスの停留所も駅近くに位置し、利便性も高いです。

蘭留駅は、歴史と現代が交差する場所です。長年にわたる地域の努力と、変化に適応してきた歴史が、この小さな駅に刻まれています。これからも、地域住民の生活を支え、宗谷本線沿線の発展に貢献していくことでしょう。

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