裸のままで

スピッツの6枚目のシングル「裸のままで」は、1993年7月25日にポリドールから発売されました。この楽曲は、4thアルバム『Crispy!』からの先行シングルとしてリリースされ、スピッツにとって新たな音楽的挑戦を示す作品となりました。

概要

このシングルでは、アレンジャーおよびプロデューサーとして笹路正徳氏が初めて起用されました。それまでスピッツのプロデュースに関わっていた所属事務所「ロード & スカイ」の社長、高橋信彦氏は、本作以降エグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされることになります。

音楽的には、ファンクの要素を取り入れた軽快なリズムが特徴で、サックスなどの管楽器も使用されています。また、歌詞には初めて「愛してる」という言葉が用いられ、より大衆的なポップチューンとして仕上げられています。この楽曲は、カップリング曲「ニノウデの世界」と同様に、FM802のヘビーローテーションに選ばれ、多くのリスナーに親しまれました。

デビューシングル「ヒバリのこころ」以来となるプロモーションビデオ（PV）も制作され、その撮影は監督竹内鉄郎氏の母校である和光大学で行われました。

CDジャケットのデザインにも特徴があり、タイトルやアーティスト名が他のシングルに比べて非常に小さく表示されていたため、パッケージの外袋には大きなハート型のステッカーが貼られ、タイトルが強調されていました。草野マサムネはこのシングルを「ミリオンいく」と自信を持っていましたが、オリコンチャート入りは果たせませんでした。

カップリング曲である「心の底から」も、口笛などを取り入れた軽快なナンバーで、「裸のままで」同様に歌詞に「愛してる」という言葉が使われています。

収録曲

1. 裸のままで（作詞・作曲：草野正宗、編曲：笹路正徳 & スピッツ）
収録アルバム：『Crispy!』、『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』

2. 心の底から（作詞・作曲：草野正宗、編曲：笹路正徳 & スピッツ）
収録アルバム：『花鳥風月』

演奏メンバー

裸のままで

草野マサムネ: ボーカル、アコースティックギター、ギター
三輪テツヤ: ギター
田村明浩: ベース
﨑山龍男: ドラムス、パーカッション
笹路正徳: キーボード
篠崎ストリングス: ストリングス
平原まこと: サックス

心の底から

笹路正徳: キーボード
平原まこと: サックス
上柴はじめ: 口笛
* 藤井理央: プログラミング

「裸のままで」は、スピッツが新たな音楽性を追求し、より多くのリスナーにアピールしようとした意欲作と言えるでしょう。その実験的な要素と、耳に残るメロディは、現在も多くのファンに愛されています。

もう一度検索