田村明浩

田村明浩：スピッツを支える情熱のベーシスト

田村明浩（たむら あきひろ）は、1967年5月31日生まれの日本のベーシスト、作曲家です。ロックバンド「スピッツ」のメンバーとして知られ、その独特なベースプレイとステージパフォーマンスは、多くの音楽ファンを魅了しています。静岡県藤枝市出身で、所属事務所はロード&スカイ内のGrass Hopperです。

人物像

身長167cm、血液型はA型。既婚者で、二児の父でもあります。1996年に元FM福岡のDJ、半田嘉子さんと結婚されました。スピッツのアルバム『インディゴ地平線』収録の「ナナへの気持ち」には、田村さんの通常の声や、草野マサムネさんと話している声を早送りしたものが使用されています。

6歳年上の姉の影響で洋楽に興味を持ち、音楽の世界へと足を踏み入れました。デビュー初期には「田村アキヒロ」と表記されていましたが、1993年のアルバム『Crispy!』から現在の漢字表記に変更されました。

来歴

1967年、静岡県藤枝市で生まれ、実家はビジネスホテルを経営していました。小学校6年生の時、転校生だった三輪テツヤさんと出会い、後に他のメンバーを加えて「田村バンド」を結成。ベースを担当することになりました。初めて購入したベースはヴァイオリンベースだったそうです。

中学校では卓球部に所属し、学業成績も優秀だったため、地元の進学校である藤枝東高校に進学。しかし、音楽活動に熱中するようになり、1986年には上京。東京造形大学で草野マサムネさんと出会い、これがきっかけで後の「スピッツ」を結成することになります。草野さんは別の大学に再入学しますが、田村さんの家にテレビゲームがあったことから交流が続いたそうです。

2004年には、石田ショーキチさん、黒沢健一さん、ホリノブヨシさんと共に「MOTORWORKS」を結成し、デビューを果たしました。

多彩な趣味

田村さんの趣味は幅広く、競馬などのギャンブルや、サッカーなどのスポーツ観戦を好みます。静岡県出身ということもあり、お茶を愛し、生のハーブティーからほうじ茶まで幅広く楽しんでいます。また、大のカレーライス好きで、2021年には「苺のショートケーキ」も好物であることを公表しています。

音楽的影響

クイーンからの影響を強く受けており、「日本で一番好きなバンドはスピッツ、世界で一番好きなバンドはクイーン」と語っています。ベーシストとしては、ザ・フーのジョン・エントウィッスル、アイアン・メイデンのスティーヴ・ハリス、ジョン・ディーコンなどから影響を受けています。ベーシスト以外では、マイケル・シェンカーからも影響を受けたと語っています。

草野さんとの交友が始まったきっかけは、当時ブレイクしていたバンドよりも、ユーライア・ヒープやチープ・トリックのファンだったことがきっかけで意気投合したことでした。

交友関係

元Jリーガーの中山雅史さんとは、藤枝東高校の同級生で、雑誌で対談もしています。中山さんは、田村さんがスピッツのメンバーだと知った時、「あの地味だった田村？」と驚いたそうです。

ウルフルズのベーシストであるジョン・B・チョッパーさんとは大の親友で、ジョンBさんのウルフルズへの復活にも一役買っています。

音楽活動

田村さんは、スピッツの楽曲「ほうき星」（『インディゴ地平線』収録）と「俺の赤い星」（『ハヤブサ』収録）の作曲を手がけました。スピッツの楽曲はシンプルなメロディが多い中、田村さんのベースラインは非常に凝っており、うねりのあるプレイが特徴です。ご本人は、「あまり深く考えずに感じたままをプレイしているだけ」と語っています。

ライブでのパフォーマンスも非常に特徴的で、「8823」や「俺のすべて」といったアップチューンになると、ステージを縦横無尽に駆け回り、ベースを叩きつけるように弾きまくります。時にはドラムスのシンバルを素手で叩き出すなど、その衝動的なプレイスタイルは、スピッツのライブの見どころの一つです。「けもの道」のイントロのベースソロをアレンジし、緊張感を煽る演出も、ライブのクライマックスでよく用いられます。これらのライブパフォーマンスは、DVD『放浪隼純情双六 Live 2000-2003』などで見ることができます。

「MOTORWORKS」では、ギターソロディレクターを務め、レコーディングではドラムス以外のパーカッションを担当することもあります。また、使用するベースも多彩で、フェンダー、ギブソン、リッケンバッカーなどの定番モデルから、ケンスミス、マイク・ルル、カールトンプソンなどのハイエンドモデル、ハグストロームやテスコ、ヘフナーなどのビザール系ベースまで、幅広く使いこなしています。

GOING UNDER GROUNDの石原聡さんにベースを貸したことがあり、『同じ月を見てた』のレコーディングで使用されたというエピソードもあります。

田村明浩さんは、スピッツというバンドを、その情熱的なベースプレイとユニークなキャラクターで支え続けている、なくてはならない存在です。

もう一度検索