西宮市大谷記念美術館

西宮市大谷記念美術館：近代絵画と日本庭園の調和

西宮市大谷記念美術館は、兵庫県西宮市に佇む、近代絵画を主に収蔵する美術館です。実業家である故大谷竹次郎氏のコレクションを基盤として、1972年に開館しました。寄贈されたのは、フランスと日本の近代絵画を中心とした作品群と、それらを展示する邸宅でした。

当初は邸宅を展示室として使用していましたが、1977年には新館とアトリエが完成。その後、1991年には大規模な増改築が行われ、現在の近代的な美術館へと生まれ変わりました。しかし、旧邸宅の面影を残す部分もあり、美術館の落ち着いた雰囲気に貢献しています。特に、玄関正面の広々としたロビーからは、一面の窓を通して、美しい日本庭園を眺めることができます。この庭園は、来館者に安らぎと静寂を提供する、美術館の魅力の一つです。

美術館は、毎年開催される「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」の会場としても知られています。国際的なイベントを誘致することで、地域文化の発展にも貢献しています。

西宮市大谷記念美術館は、公益財団法人西宮市大谷記念美術館によって運営されています。（2013年までは財団法人でした。）日本博物館協会会員館であり、兵庫県教育委員会登録博物館として、博物館法に基づく運営を行っています。また、ひょうごっ子ココロンカードの対象施設にもなっているため、幅広い層の来館者を受け入れています。

美術館の主な施設

美術館内には、複数の展示室（展示室Ⅰ～Ⅳ、常設展示室）の他、和室「緑爽庵」、ティーラウンジ「zip」、アトリエ、講堂などの施設が整っています。1990年に造園された回遊式日本庭園は、荒木造園設計事務所（荒木芳邦氏）による設計で、美術館の景観に彩りを添えています。

美術館の主な所蔵品

美術館が所蔵する作品は、日本近代絵画史における重要な作品が多く含まれています。例えば、小出楢重の「帽子のある静物」、梅原龍三郎の「霧島（栄ノ尾）」、上村松園の「秋の粧」と「蛍」、菱田春草の「秋林遊鹿」など、著名な画家の代表作を鑑賞できます。さらに、元永定正、植松奎二、岡本太郎といった現代美術家の作品も収蔵されており、幅広い時代の美術作品を一度に楽しむことができます。また、ギュスターヴ・クールベの「眠る草刈り女」など、フランス近代絵画も重要なコレクションとなっています。

利用情報

開館時間: 午前10時～午後5時
休館日: 水曜日（ただし、水曜日が祝日の場合は開館し、翌日が休館日となります）

アクセス

阪神本線「香櫨園駅」から徒歩6分
JR神戸線（東海道本線）さくら夙川駅から徒歩13分
* 阪急電鉄（神戸本線・甲陽線）夙川駅から徒歩18分

周辺情報

美術館周辺には、菊池貝類館、西宮市貝類館、辰馬考古資料館、カトリック夙川教会など、様々な施設があります。これらの施設と合わせて訪れることで、西宮の文化をより深く知ることができます。

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