西山秀二

西山秀二氏は、1967年7月7日生まれの大阪府八尾市出身の元プロ野球選手、コーチ、野球解説者、野球評論家です。捕手として、近鉄バファローズ、広島東洋カープ、読売ジャイアンツで活躍しました。

高校時代は、八尾市立大正中学校で桑田真澄氏とバッテリーを組み、その後、上宮高校に進学。高校時代は江本晃一氏らとチームメイトとしてプレーし、1985年のドラフト会議では南海ホークス（現福岡ソフトバンクホークス）と近鉄バファローズから4位指名を受け、抽選の結果、南海ホークスに入団しました。ドラフト指名が無かったとしても、阪神コーチにいた高校のOBからの獲得内定もあったそうです。

プロ入り後は、1年目のキャンプでは捕手ながらブルペンで球を受けさせてもらえず、自信を失いかけた時期もありました。1年目は一軍出場機会がなく、シーズンオフには交通事故に遭い謹慎処分を受けるなど、苦しいスタートとなりました。2年目には肘の故障により遊撃手に転向、森脇浩司氏、永田利則氏とのトレードで広島東洋カープへ移籍。これは高卒ドラフト入団からわずか1年5か月でのトレードであり、前代未聞のことでした。球団側は西山氏とその両親に事情を説明し謝罪しましたが、西山氏はセ・リーグに行けることを喜んだと語っています。

広島東洋カープでは、達川光男氏の後継候補として期待されながらも、1991年には瀬戸輝信氏の入団により、正捕手の座獲得は困難と思われました。しかし、打撃成績を残し、外野や三塁手、代走要員としても活躍して一軍に定着。1993年には正捕手の座を掴み、1994年には初の規定打席到達、ベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞するなど活躍しました。1996年には打率.314を記録し、球団捕手として初めて規定打席到達と打率3割を達成。これは2023年現在も球団捕手では唯一の記録です。同年のベストナイン、ゴールデングラブ賞受賞も、1990年代のセ・リーグ捕手では古田敦也氏以外で唯一の複数回受賞となります。しかし、積極的なプレーゆえに怪我も多く、1994年と1996年を除き、瀬戸氏との併用が続きました。1990年代後半からは怪我の影響で打撃面でも苦戦しました。1998年には故障でほとんどの試合を欠場し、瀬戸氏が正捕手を務めました。1999年には初めて二塁手として出場した試合もありました。

2004年シーズン終了後、フロントからコーチ就任の打診を受けましたが、現役続行を希望し自由契約となり、読売ジャイアンツに移籍。巨人では不振だった江藤智氏の相談相手となり、2005年4月17日には23年ぶりに桑田真澄氏とバッテリーを組みました。同年限りで現役を引退しましたが、球団側の計らいで引退試合とセレモニーが開催され、対戦相手は古巣の広島でした。

引退後は、巨人の二軍バッテリーコーチ、一軍バッテリーコーチを務め、2011年からはラジオ日本ジャイアンツナイター、GAORAプロ野球中継の解説者、デイリースポーツ東京本社評論家として活動。2016年には学生野球資格回復研修を受講し、学生野球指導が可能となりました。2018年からは中国放送のゲスト解説者を務め、2022年から中日ドラゴンズの一軍バッテリーコーチを務めました。2023年限りで中日ドラゴンズを退団し、2024年からサンテレビゲスト、ラジオ日本の野球解説者、デイリースポーツの野球評論家に復帰します。

選手としては、捕球・送球の正確さとクレバーなリード、そして独特の一本足打法によるしぶとい打撃が特徴でした。守備では捕手以外に外野や三塁もこなせる器用さも持ち合わせていました。

西山氏は、1993年と1999年に乱闘騒ぎに巻き込まれた経験もあります。1993年には池山隆寛氏との衝突から大乱闘に発展し、暴力退場処分を受けました。1999年には上原浩治氏との衝突寸前となる騒ぎもありました。

数々の記録や受賞歴、そして解説者・評論家としても活躍する西山秀二氏は、日本のプロ野球界において重要な役割を果たしてきた人物と言えるでしょう。書籍『不惑 桑田・清原と戦った男たち』にも西山氏自身の章があり、高校時代からの桑田真澄氏とのエピソードなどが詳細に語られています。

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