西灘駅

西灘駅：阪神本線の駅と歴史

西灘駅は、兵庫県神戸市灘区都通にある阪神電気鉄道本線沿線の駅です。駅番号はHS 29。神戸市街地の西側に位置し、周辺には歴史的な史跡や公園、工場などが点在しています。単なる鉄道駅としてだけでなく、地域のランドマークとして、また歴史的変遷を語る上で重要な場所となっています。

歴史と変遷

西灘駅は1927年、阪神国道電軌（後の阪神国道線）の開業と同時に開設されました。当初は阪神本線と国道線の乗換駅として機能していましたが、両線の線路は接続されていませんでした。国道線は1974年に廃止され、それ以降は阪神本線のみの駅となっています。


戦前には、隣接する阪急電鉄神戸本線にも「西灘駅」が存在していましたが、1984年に王子公園駅に改称されました。


1991年から1998年にかけては、山陽電気鉄道の全列車が西灘駅を通過していました。これは、山陽電車の車両と阪神電車の車両の起動加速度の違いによる時間調整の必要性や、当時のホーム有効長の制約が理由として挙げられます。ホーム有効長が延伸された後も、しばらく通過運転が継続されたのち、1998年に停車が再開されました。しかし、2001年には山陽電鉄の直通特急以外の列車の阪神本線への乗り入れが神戸三宮駅以西のみに短縮され、西灘駅への停車は再びなくなりました。2006年には準急も通過するようになり、現在では全ての優等列車が西灘駅を通過しています。


阪神・淡路大震災（1995年）では、駅も大きな被害を受けました。一時的に営業を中止した後、仮設ホームなどを用いて段階的に営業を再開し、1995年6月26日には阪神本線全線が復旧しました。


2014年には駅番号が導入され、現在に至っています。

駅構造と周辺環境

西灘駅は相対式ホーム2面2線の地上駅です（一部高架構造）。梅田寄りに改札口が1ヶ所あり、ホームは2階にあります。ホーム有効長は6両編成に対応していますが、現在6両編成の列車は停車しません。


駅周辺には、西求女塚古墳（国指定史跡）や岩屋公園、西郷川河口公園といった歴史的・文化的施設のほか、神戸税関摩耶埠頭出張所やケンコーマヨネーズ神戸工場・神戸支店などの施設も立地しています。


また、阪神バスも西灘駅前を通っており、神戸市街地や西宮市方面へのアクセスも良好です。JR西日本の摩耶駅も比較的近い距離にあります。

まとめ

西灘駅は、歴史的背景や周辺環境、交通の利便性など、様々な要素が複雑に絡み合った駅です。単なる交通の拠点というだけでなく、神戸の歴史や文化を理解する上で重要な役割を担っていると言えるでしょう。今後も地域の変遷とともに、その姿を変えながら存在し続けるであろう駅です。

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