西高島平駅

東京都板橋区高島平六丁目に所在する西高島平駅は、東京都交通局が運営する都営地下鉄三田線の終着駅です。駅番号はI 27が付与されています。都営地下鉄の駅としてはもちろん、東京の地下鉄全般で見ても最北端に位置しており、板橋区の北の玄関口の一つとしての役割を担っています。

名称の由来と計画の変遷

駅名「西高島平」は、隣接する高島平駅よりも西側にあることに由来します。駅開業前の計画段階においては、複数の名称案が存在しました。東武鉄道が免許を持っていた時期には「三園町駅」という仮称があり、その後、東京都交通局に免許が移管されてからは「笹目橋駅」とも呼ばれていました。また、高島平地区の他の駅と同様に、「高島平X丁目」といった町名由来の名称も検討されていました。

当初、三田線（計画時の都営6号線）は、高島平駅から東武東上線の和光市駅（旧称：大和町駅）まで延伸し、相互直通運転を行う計画でした。そのため、この西高島平駅の区間は東武鉄道が建設を担う予定でした。しかし、東武百貨店が池袋の地盤沈下を懸念して都営6号線の乗り入れに難色を示したことや、東武鉄道が地理的な利便性から、同時期に計画が進んでいた営団地下鉄8号線（現在の東京メトロ有楽町線・副都心線）との相互乗り入れを優先する経営判断を下したことから、状況は大きく変化します。最終的に、都市交通審議会答申第15号において、高島平から和光市方面への計画は取り消されました。これを受け、運輸省（現在の国土交通省）の仲介により、高島平駅から西高島平駅までの区間の鉄道事業免許が、1973年 4月28日に東武鉄道から東京都交通局へと譲渡されました。これにより、駅舎を含むこの区間の建設は東京都交通局の手によって行われることとなりました。

また、都市交通審議会答申第15号の中では、西高島平駅からさらに埼玉県戸田市、浦和市、大宮市方面への延伸構想も提示されていましたが、この計画は1985年に撤回され、今日まで実現には至っていません。

駅の歴史

西高島平駅は、都営地下鉄6号線の延伸に伴い、1976年（昭和51年）5月6日に開業しました。この開業時、都営地下鉄としては初めてとなる自動改札機が試験的に設置されたことでも知られています。

開業から2年後の1978年（昭和53年）7月1日には、路線名の変更が行われ、都営6号線から「三田線」へと改称されました。

21世紀に入り、サービスの拡充も図られています。2007年（平成19年）3月18日には、ICカード「PASMO」の利用が可能となり、利便性が向上しました。また、同年4月8日には、バリアフリー設備としてエレベーターが完成し、利用しやすい駅へと改善が進みました。

駅構造と設備

西高島平駅は、高架上に設けられた相対式ホーム2面2線を持つ駅です。ホームには安全対策としてホームゲートが設置されています。改札階へのアクセスは、階段、エスカレーター、エレベーターが整備されており、利用者の移動を円滑にしています。駅全体の構造は、隣接する新高島平駅と多くの類似点が見られます。

当駅は三田線の終点であるため、到着した列車はすべて三田方面行きの列車として折り返し運転を行います。駅の西側、国道17号線である新大宮バイパスの手前で高架線は途切れています。終着駅として必要な過走余裕距離はやや短いため、安全確保のために油圧式の車止めが設置されています。かつては、過走余裕をより確保することや、大宮方面への将来的な延伸も視野に入れて、新大宮バイパスの先まで高架を延長する案も検討されました。しかし、国道上空を使用するための許可取得が難しいことや、前述の延伸計画が困難となったことから、この案は断念されています。

三田線では全区間でワンマン運転が実施されていますが、当駅では列車が発車する際のサイン音が、他の駅とは異なり、出発指示合図である発車ベルの後に鳴動するという特徴があります。

利用状況

西高島平駅の利用状況を見ると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗降人員は12,229人（うち乗車人員6,226人、降車人員6,003人）を記録しています。過去約20年間、1日平均の乗降人員は概ね12,000人前後で推移しており、大きな変動のない横ばいの傾向が見られます。駅が埼玉県との県境に近い位置にあり、特に荒川に架かる笹目橋を渡ると戸田市であることから、埼玉県側の和光市や戸田市からの利用客も少なくありません。

駅周辺

駅周辺は、主要な幹線道路や公共施設、自然、文化施設などが点在しています。駅を出てすぐ右手には高島陸橋があり、その下を新大宮バイパス（国道17号）が通っています。また、笹目通り（東京都道・埼玉県道68号線）や高島通りといった主要道路も駅周辺を通っています。首都高速5号池袋線の高島平出入口も近くに位置しており、広域からのアクセスも比較的容易です。

荒川と新河岸川に架かる笹目橋は、当駅と埼玉県を結ぶ重要な連絡路となっています。公共施設としては、駅の北側に板橋トラックターミナルや東京都中央卸売市場板橋市場があり、北西側には東京都水道局三園浄水場が立地しています。駅西側にはレインボーモータースクール（自動車教習所）があります。

さらに、周辺には成増厚生病院のような医療機関、東京大仏で知られる乗蓮寺、板橋区立美術館、赤塚城址公園、赤塚植物園といった文化・自然を楽しむことができる施設も点在しており、多方面からの利用客にとってのアクセスポイントとなっています。

バス路線

西高島平駅からは、国際興業バス（練馬営業所）によって運行される路線バスを利用することができます。主な停留所として以下の二つがあります。

西高島平駅停留所: 駅前の高島通り沿いに設置されており、高01系統が高島平操車場行きおよび成増駅北口行きとして運行されています。
笹目橋停留所: 駅の西方、笹目通り沿いに位置しており、増14系統が成増駅北口行きおよび下笹目行き（朝夕のみ運行）として利用可能です。

隣の駅

東京都交通局（都営地下鉄）
都営三田線
新高島平駅 (I 26) - 西高島平駅 (I 27)

この文章は、公開されている情報を元に作成されています。最新の情報や詳細については、東京都交通局の公式発表等をご確認ください。

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