谷山市

谷山市について

谷山市（たにやまし）は、かつて鹿児島県中部に存在した市で、1967年に鹿児島市と合併して消滅しました。本記事では、谷山市の概要、地理、歴史、教育、交通、地域の文化について詳しく説明します。

概要

谷山市は1965年時点での人口が42,683人、面積は97.65平方キロメートルでした。1889年に町村制が施行され、谷山村としてスタートしたのがこの街の始まりです。その後、1924年に町制を施行し、1957年には市制を施行して谷山市となりました。

地理

谷山市は旧鹿児島市の南に隣接し、海と山に囲まれた位置にありました。東部は錦江湾に面しており、鹿児島港とつながっています。旧市内には烏帽子岳（522m）や権現ヶ尾（485m）といった山があり、細長い低地に市街地が広がっていました。温暖で多雨の気候は、農業や日常生活に恵まれた環境を提供していました。

歴史

谷山市の歴史は江戸時代にさかのぼります。当時、現在の市域は薩摩国に属し、個々の村から構成される谷山郷として知られていました。1869年には薩摩藩の直轄領となり、明治時代に入ると町村制が施行され、谷山村が誕生します。1897年には鹿児島郡に編入され、1924年に町制を施行しました。

谷山町は1957年に市制を施行し、谷山市として新たな歴史を刻み始めました。しかし、1967年4月29日に鹿児島市との合併が決定し、自治体としての谷山市は消滅しました。この合併により、当時の町名には新たな呼称が加わることとなりました。

教育

かつての谷山市にはいくつかの教育機関が存在していました。特に高校は、鹿児島県立谷山高等学校（現在の鹿児島県立鹿児島南高等学校）やラ・サール高等学校があり、中学校・小学校も多く存在しました。また、大学としては鹿児島経済大学が下福元町に展開していました。

交通

谷山市は交通面でも利便性がありました。鉄道は鹿児島本線が通っていましたが、市内に駅は存在しませんでした。しかし、指宿枕崎線の駅が近くにあり、バスも各所に張り巡らされていました。国道225号や226号が地域を結び、港湾としての機能も果たしていた谷山港は、経済活動にも寄与していました。

文化

谷山市には、著名な人物も多数存在していました。シンガーソングライターの吉田拓郎や歌手の西郷輝彦などがその一例です。地域の歴史や文化は、今も多くの人々に語り継がれています。

谷山市は、現存する鹿児島市の中にその根を持ちながらも、独自の歴史と文化を築いてきた街でした。今後もその足跡を辿りつつ、地域の魅力を再発見していきたいと思います。

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