下福元町

下福元町（しもふくもとちょう）

鹿児島市南部、谷山地区に位置する下福元町は、和田川下流域と万之瀬川源流域に広がる自然豊かな町です。北には中山町や上福元町、南には平川町や南九州市川辺町清水、東には谷山中央、西には日置市と隣接しています。

地理と交通

町域の中央部には指宿スカイラインが南北に走り、錫山インターチェンジが設けられています。また、鹿児島県道20号や国道225号、226号などの主要道路も通り、交通の便が良い地域です。町内には鹿児島市唯一の併置型小中学校である錫山小中学校があり、地域の子どもたちの教育を担っています。

歴史

下福元という地名は江戸時代から存在し、当時は薩摩[[藩]]の谷山郷に属していました。上福元村と共に福本村とも呼ばれ、村高は3,038石余、人口は5,020人、戸数は1,019戸でした。この地で特筆すべきは、錫山鉱山の存在です。1655年頃に八木主水佑元信によって発見されたこの鉱山は、薩摩[[藩]]の重要な財源となり、最盛期には約300人もの人々が働いていました。錫は薩摩[[藩]]の重要な財源であり、錫器生産も盛んに行われましたが、1988年に閉山しました。

明治時代に入ると、1879年に戸長役場が設置されました。1889年の町村制施行により、周辺の村々と合併して谷山村となり、下福元村は谷山村の大字となりました。その後、谷山村は谷山町、そして谷山市へと発展し、1967年には鹿児島市と合併、現在の下福元町となりました。町域の変更も度々あり、1984年には一部が錦江台として分離、1996年には住居表示が実施され慈眼寺町や谷山中央が新たに設置されました。また、1997年には鹿児島市立ふるさと考古歴史館が開館し、町域内から発掘された掃除山遺跡のジオラマが展示されています。

現在の下福元町

下福元町は、歴史的な背景を持ちながらも、現代の生活に適した地域へと変化を遂げています。住居表示の実施や区画整理事業により、町域の再編が行われ、2020年には西谷山三丁目が設置されました。2020年4月1日現在、人口は6,985人、世帯数は3,261世帯です。

文化財と施設

下福元町には、市指定の文化財として、掃除山遺跡出土品、草野貝塚出土品、玉利の鎌手踊りなどがあります。また、公共施設として、鹿児島市立ふるさと考古歴史館、福平福祉館、慈眼寺公園などが整備されています。教育施設としては、鹿児島市立錫山小中学校や保育園、幼稚園があります。地域住民の生活を支える施設が充実しています。

交通

町内には指宿スカイラインや国道、県道が通り、車での移動が便利です。指宿スカイラインの錫山インターチェンジが利用でき、鹿児島市内外へのアクセスも良好です。

まとめ

下福元町は、歴史と自然が調和した魅力的な町です。かつて錫鉱山で栄えた歴史を持ち、その名残を今も感じることができます。一方で、住宅地としての機能も充実しており、住みやすい環境が整っています。地域に根付いた文化や歴史を大切にしながら、新しい発展を続けている町と言えるでしょう。

もう一度検索