道場駅

道場駅：神戸市北区の静かな駅舎と豊かな自然

道場駅は、兵庫県神戸市北区道場町生野に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）福知山線の駅です。駅番号はJR-G60。宝塚駅の管理下にあり、無人駅として運行されています。ICOCAなどのICカードも利用可能です。かつては駅前の酒屋が乗車券を販売する簡易委託駅でしたが、現在は無人駅として機能しています。

歴史：阪鶴鉄道からJR西日本へ

道場駅の開業は1899年（明治32年）1月25日に遡ります。阪鶴鉄道の有馬口駅（現在の生瀬駅）から三田駅間の延伸開業に伴い、旅客・貨物の取り扱いを開始しました。その後、1907年（明治40年）に国有化され、帝国鉄道庁の駅となります。幾度の線路名称変更を経て、1912年（明治45年）に福知山線所属駅となりました。

1971年（昭和46年）には駅員無配置駅となり、荷物扱いも廃止されましたが、その後一時的に再開・廃止を繰り返しています。1981年（昭和56年）に貨物取扱いは完全に廃止。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となりました。その後、自動改札機の設置、駅舎改築、駅前広場の整備など、利用者の利便性向上のための改良が重ねられてきました。2020年（令和2年）3月14日のダイヤ改正では区間快速の停車駅となり、アクセス性が向上しています。

駅構造：相対式ホームと高低差

道場駅は、相対式2面2線のホームを持つ地上駅です。分岐器や絶対信号機がないため、停留所に分類されます。駅舎は南側の1番のりば側にあり、反対側の2番のりばへは屋根のない跨線橋で連絡しています。エレベーターなどの設備がないため、車椅子での移動は困難です。ホームと駅前には約2メートルの高低差があり、階段やスロープで行き来します。スロープは駅舎を経由せずに1番のりばに直接つながっています。無札乗車の場合は、車内で車掌に申し出て乗車券を購入する必要があります。

駅舎内には自動券売機、ICカード対応の自動改札機（簡易型）が設置されており、改札口コールシステムや行先表示器も整備されています。また、三田市総合案内所には、私設の駅スタンプが設置されているというユニークな点もあります。

ダイヤ：区間快速と普通列車の運行

日中時間帯は、新三田駅（一部は篠山口駅）と大阪駅間を運行する区間快速が上下線で毎時4本発着します。区間快速は2020年3月14日のダイヤ改正で、それまで停車していた普通列車に取って代わる形で運行されています。川西池田駅以北では各駅に停車し、上り列車は川西池田駅で普通列車と接続します。日中以外の時間帯は普通列車が停車し、新三田駅（一部は篠山口駅・福知山駅）発着の列車が中心です。JR京都線、JR東西線、学研都市線への直通列車も一部運行されています。

利用状況と周辺環境：自然と産業の共存

道場駅の利用者は、平日は通勤・通学客、休日は近隣の観光地（百丈岩など）を訪れる観光客が中心です。駅周辺は工場と住宅が混在し、駅から離れると田園風景が広がっています。

周辺には、富士チタン工業神戸工場、生野自治会館、太福寺などの施設や、千苅水源池、千苅ダム、千苅浄水場といった自然豊かなスポットがあります。また、百丈岩、不動岩、烏帽子岩、駒形岩は、フリークライミングやアルパインクライミングのスポットとして人気です。

少し離れた場所には、神戸電鉄三田線の神鉄道場駅もあります。また、かつては有馬線新道場駅が存在しましたが、現在は休止されています。

アクセスと接続：JR宝塚線（福知山線）

道場駅は、JR宝塚線（福知山線）の武田尾駅と三田駅の中間に位置します。丹波路快速や快速は通過しますが、区間快速と普通列車は停車します。

道場駅は、周囲の自然環境と産業が混在する静かな駅です。利用者の利便性向上のための努力と、歴史を感じさせる駅舎が共存する、魅力的な駅と言えます。

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