野洲図書館

滋賀県野洲市に位置する野洲図書館は、同市が運営する公共図書館組織の基幹施設です。市民にとって知の拠点であり、文化的な活動を支える重要な役割を担っています。野洲市図書館としては、この本館のほかに中主分館を有しており、市域全体にわたる読書環境の整備に努めています。

野洲市の図書館の歴史は、古く大正時代に遡ります。1921年(大正10年)には、野洲郡野洲町小篠原にあった野洲尋常高等小学校内に「野洲町教育記念図書館」が設けられました。戦後、時代が下り1968年(昭和43年)には、野洲町中央公民館に図書室が設置され、町民へのサービス提供が続きます。そして1979年(昭和54年)、小篠原に「野洲町立図書館」が独立した施設として開館し、本格的な図書館サービスが開始されました。

現在の野洲図書館は、2002年(平成14年)8月1日に辻町に移転・新築されて開館したものです。この移転に伴い、それまでの野洲町立図書館の建物は「野洲図書館分室」として位置づけられましたが、後に2010年(平成22年)3月に閉館となりました。一方、市町村合併を経て、2004年(平成16年)には旧中主町域に「野洲図書館中主分館」が開設され、市内に2つの図書館施設が整いました。現在の野洲図書館の建物は、その設計や機能性が評価され、2003年(平成15年)に関西照明技術普及会賞を受賞しています。

提供されるサービスは多岐にわたります。資料の館外貸出は、野洲市内に居住している方、または市内の学校に在学・通勤している方が利用可能です。さらに、広域利用に関する協定に基づき、隣接する草津市守山市栗東市にお住まいの方も、資料を借りることができます。所蔵資料は、一般的な図書や雑誌、新聞、紙芝居に加え、視聴覚資料(CD、カセットテープ、DVD、ビデオ)や、地域で活躍する作家などによる絵画作品も含まれており、多様なニーズに応えています。

貸出条件も資料の種類によって異なります。図書、雑誌、紙芝居については、冊数の上限なく、3週間借りることができます。これは、読みたい資料をまとめて借りて、じっくりと読書に親しめるよう配慮されています。視聴覚資料は一人あたり5点まで、3週間の貸出期間です。また、絵画作品は一人あたり1点まで、比較的長い6週間の期間借りることが可能です。ただし、新聞については館内での閲覧のみとなっており、持ち出しはできません。

借りた資料の返却についても便利な仕組みが導入されています。本館と中主分館のどちらでも返却が可能です。また、図書館の開館時間外でも返却できるよう、野洲市役所、市役所分庁舎、野洲地域総合センターにはブックポストが設置されており、こちらへの返却も受け付けています。ただし、視聴覚資料や他の図書館から借り受けた資料は、破損の恐れや管理上の理由からブックポストには返却できませんので、直接図書館の窓口までお持ちいただく必要があります。資料の検索や貸出予約、そして返却期限の延長登録については、館内に設置された検索端末(OPAC)や、インターネット(パソコンや携帯電話からアクセス可能)を利用して、いつでも行うことができます。

利用にあたっては、市内に野洲図書館(本館)と中主分館の2つの施設があることをご確認ください。野洲図書館は野洲市辻町に、中主分館は豊積の里総合センター内にあります。開館時間は、野洲図書館が平日10時から20時、土日祝日は10時から18時までです。中主分館は10時から17時15分までとなっています。両館ともに休館日は共通で、毎週月曜日、毎月第1木曜日、年末年始、そして蔵書整理期間に設定された整理休館日がお休みとなります。野洲図書館へのアクセスは、JR琵琶湖線野洲駅から野洲市コミュニティバス「野洲図書館」停留所下車すぐ、または近江鉄道バス「辻町」停留所下車後徒歩約7分です。中主分館へのアクセスは、豊積の里総合センターを目指してお越しください。図書館の利用に関する最新情報や詳細については、公式サイトをご確認いただくことをお勧めします。

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