鎌倉山

鎌倉山（かまくらやま）

概要

鎌倉山は、神奈川県鎌倉市の深沢地域に位置し、現行の行政区画は鎌倉山一丁目から四丁目まで存在します。この地域は住居表示が実施されているため、住民の生活が整然とした形で営まれています。

地理

鎌倉市の西部にあるこの地域は、北側は笛田、西側は手広・腰越・津、南側には七里ヶ浜・稲村ヶ崎、そして東側には極楽寺と接しています。標高は約100メートルと高くはないですが、山という名称がついている通り、自然が豊かな丘陵地です。ほぼ全域が森林に覆われており、一部は住宅が点在しています。また、主要な道路沿いには数多くの桜の木（ソメイヨシノ）が植えられており、春の桜の季節ともなると多くのハイキング客が訪れます。山の頂上付近には鎌倉山神社があり、ここからは七里ヶ浜の海や江の島、富士山、そして逗子マリーナや三浦アルプスの壮大な景色を眺めることができます。

道路と交通

この地域は国道や県道が通っていないため、市道が主要な通りとなります。市道大船西鎌倉線とさくら道が交差する「鎌倉山ロータリー」は、この地域の交通の要所となっています。バス路線も整備されており、鎌倉駅や大船駅、江の島方面へ向かう京浜急行バスが運行されています。最寄りの鉄道駅は西鎌倉駅ですが、湘南モノレールが近くを通るものの、直接駅は設置されていません。

地価と経済

2023年1月1日の公示地価では、住宅地の地価は約16万6000円/m²とされています。この地域は高級住宅街として知られており、多くの著名人が別荘を所有していました。

歴史

鎌倉山の名称が史料として確認できるのは万葉集に収められた歌に遡ります。その後、平安時代や鎌倉時代にも「鎌倉山」という言葉が使用されていましたが、特定の山を指すものではなく、単に鎌倉に存在する山を意味していました。この地域の雰囲気が変わるのは昭和初期からです。実業家・菅原通濟がかつての深沢村の丘陵を「鎌倉山」と名付けて別荘地として開発を始めたことで、名実ともにこの地名が定着しました。

1926年に「大船-江の島自動車専用道路」の建設許可が下り、菅原らが日本自動車道株式会社を設立。その後、1929年には分譲が開始され、著名な政治家や実業家が購入したことから、地域の名声も高まりました。しかし、一般の分譲販売はあまり振るわず、会社は倒産。その後の戦後は進駐軍に接収されたために寂れましたが、高度成長期には再度、住宅地として発展を遂げました。1985年には住居表示が実施され、現在の区画が整備されました。

文化・施設

鎌倉山はその美しい自然に加えて、文化的な面でも魅力があります。たとえば、鎌倉山ロータリーには関東大震災で倒壊した鶴岡八幡宮の鳥居を流用した石柱が立っています。また、棟方志功のアトリエ跡を利用した美術館も存在していましたが、現在は休館となっています。さらには、料亭檑亭も地域の名所として知られ、歴史的な建物や景観が観光客を惹きつけています。

このように、鎌倉山は自然と歴史、文化が融合した地域であり、訪れる人々にとって心温まる場所です。

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