音楽之友社

株式会社音楽之友社の概要

株式会社音楽之友社（おんがくのともしゃ）は、1941年に設立された日本の音楽出版社であり、東京都新宿区に本社を構えています。音楽雑誌の発行を主要業務としてスタートした同社は、戦後には楽譜や音楽関連書籍の出版も手掛け、現在では音楽教科書や学習者向けの辞典、理論書、教材など、多岐にわたる出版活動を行っています。また、クラシック音楽の総合出版社としても認識されています。

歴史的背景

音楽之友社の起源は、1916年に創刊された音楽雑誌『音楽と文学』にさかのぼります。この雑誌は大田黒元雄によって創立され、優れた音楽家や評論家を多数輩出しましたが、その後休刊となりました。1941年、戦時下の統合政策により、3つの音楽雑誌出版社が合併し、音楽之友社が設立されました。同年12月には、『音楽之友』という新しい雑誌が発行され、これをもって会社創立が公式に認定されました。

その後、1943年に社名を日本音楽雑誌株式会社に変更し、様々な音楽雑誌を出版しました。戦後、出版の自由が回復すると、同社は『教育音楽』や『レコード芸術』などの音楽関連雑誌を創刊し、特に教育分野において強い影響力を持つようになりました。

音楽出版の成長と多様化

音楽之友社は、音楽雑誌だけでなく、教育音楽に関しても多くの教材を出版しています。音楽教育雑誌や教科書に力を入れ、時代のニーズに応える形で出版内容を充実させてきました。特に、クラシック音楽に関する専門書や理論書は、学校教育や音楽学習者に広く利用されています。

音楽之友社の本社には、220名を収容できる小ホール「音楽の友ホール」も併設されており、室内楽や声楽の演奏会が定期的に開催されています。このホールは、音楽を愛する人々にとって重要な文化活動の場となっています。

コーポレートスローガンと現代の取り組み

創立70周年を迎えた2011年には、「音楽の力を信じ 音楽の心を伝えたい」というコーポレートスローガンが制定されました。このスローガンは、音楽が持つ力や重要性を再認識し、今後の活動に活かしていく姿勢を表しています。

音楽之友社は、音楽の出版だけでなく、CDソフトの制作・販売や音楽イベントの開催など、多様な事業展開を行っており、音楽文化の普及に努めています。幾多の変革を経て、今なお多様なジャンルにわたる出版物を提供し続ける同社は、日本の音楽界において重要な存在となっています。

現在の刊行物と事業所

音楽之友社は、様々な音楽雑誌を刊行しており、現行の雑誌には『音楽の友』『stereo』『教育音楽』などがあります。また、過去の刊行物には、時代の変遷を反映した多様な雑誌が存在しています。

本社及び別館は、東京都新宿区神楽坂に位置し、その他に埼玉県戸田市に物流センターも所有しています。音楽之友社は、この地を基盤にさらなる音楽文化の発展に寄与することでしょう。

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