高徳院

高徳院（鎌倉大仏）

高徳院は、神奈川県鎌倉市長谷にある浄土宗の寺院で、鎌倉大仏として知られる国宝銅造阿弥陀如来坐像を本尊としています。正式には大異山高徳院清浄泉寺と号し、その創建は謎に包まれています。

歴史

高徳院の開基と開山はともに不詳であり、大仏の造像経緯についても史料が乏しく不明な点が多いです。寺の草創については、鎌倉市材木座の光明寺奥の院を移建したものが当院だという説もありますが、定かではありません。初期は真言宗で、鎌倉・極楽寺開山の忍性など密教系の僧が住持となっていました。のち臨済宗に属し建長寺の末寺となったが、江戸時代の正徳年間（1711年 - 1716年）に江戸・増上寺の祐天上人による再興以降は浄土宗に属し、材木座の光明寺（浄土宗関東総本山）の末寺となっています。「高徳院」の院号を称するようになるのは浄土宗に転じてからです。

吾妻鏡には、1238年に僧・浄光の勧進により大仏堂の建立が始まり、1243年に開眼供養が行われたという記述があります。当時の紀行文である東関紀行には、1242年時点で大仏殿が3分の2ほど完成しており、大仏は木造であったことが記されています。一方、吾妻鏡には1252年から金銅八丈の釈迦如来像の造立が開始されたとの記事もあり、これが現存する鎌倉大仏であると考えられています。

大仏は元々大仏殿の中に安置されていましたが、度重なる災害で倒壊し、室町時代には露坐となりました。江戸時代中期に祐天が復興を図り、浄土宗の寺院として再興されました。1923年の関東大震災で基壇が ক্ষতিগ্রস্তした際には、大規模な修理が行われ、免震構造が導入されました。

鎌倉大仏

鎌倉大仏は、像高約11.39メートル、台座を含めると13.35メートルにもなる巨大な阿弥陀如来坐像です。鎌倉時代に流行した宋風の仏像の特色を示しており、鎌倉時代を代表する仏教彫刻として国宝に指定されています。像内は空洞になっており、拝観者は内部を見学することができます。

大仏の鋳造には、河内の鋳物師・丹治久友がかかわっています。材質は青銅で、銅、錫、鉛などの合金でできています。成分分析の結果、宋から輸入された中国銭が使用されたと推定されています。

境内

境内には、観月堂や与謝野晶子の歌碑などがあります。観月堂は、朝鮮王宮にあった建物を移築したもので、内部には徳川秀忠が所持していたとされる聖観音像が安置されています。

アクセス

江ノ島電鉄（江ノ電）長谷駅から徒歩9分
江ノ島電鉄・京浜急行バス鎌倉駅・藤沢駅から乗車、大仏前バス停下車すぐ

まとめ

鎌倉大仏は、鎌倉を代表する観光スポットであり、その美しい姿は多くの人々を魅了しています。高徳院を訪れ、大仏の歴史や文化に触れてみてはいかがでしょうか。

現在の住職は慶應義塾大学教授でもある佐藤孝雄が務めている｡

2004年（平成16年）2月27日、境内一帯が「鎌倉大仏殿跡」の名称で国の史跡に指定された。

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