“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986

“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986

BOØWY初のライブアルバムとして1986年7月31日にリリースされた『“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986』。4thアルバム『JUST A HERO』を引っ提げて行われたツアーから、日本武道館公演を中心に収録されています。

背景

アルバム『JUST A HERO』リリース前後には、フィルムコンサートでファンとの交流を図り、その後のコンサートツアーでは映画『ブレードランナー』をイメージしたステージセットが組まれました。ツアーファイナルは初の日本武道館単独公演となり、チケットは即完売。同日には初の映像作品もリリースされ、話題を呼びました。

録音と制作

本作は、初の日本武道館公演を中心に収録されていますが、実際にはツアーの他会場での音源も含まれています。収録曲は、シングル曲からアルバム収録曲まで、BOØWYの代表曲が網羅されています。「IMAGE DOWN」演奏中の氷室京介のMC「ライブハウス武道館へようこそ!」は、BOØWYの原点を象徴する名言として語り継がれています。

アルバム制作にあたり、メンバーは当初ライブアルバムの必要性を感じていなかったものの、周囲の勧めにより制作が決定。氷室京介は、ライブアルバムに対し独自の考えを持っており、単なる記録ではなく、その場の空気感やエネルギーを伝える作品を目指しました。

構成

ミキシングの際、キーボードやコーラスが追加された箇所があり、完全なライブ音源とは言えない部分も存在します。これは、メンバーがよりクオリティの高い作品を目指した結果です。また、客席の臨場感を高めるため、街で若者を集めてコーラスを録音するというエピソードも残っています。

収録曲順は、ライブでの流れを意識しつつも、アルバムとしての聴きやすさも考慮して決定されました。氷室京介は、当時のBOØWYを「大衆芸能の極み」と捉えつつも、本作にはライブならではの瞬発力と躍動感が凝縮されていると語っています。

ただし、本作には日本武道館公演以外に、大阪厚生年金会館でのライブ音源も使用されています。また、「NO. NEW YORK」のギターソロは、大阪公演とは別のものが使用されているなど、一部編集が加えられています。

リリースとアートワーク

オリジナル盤は10万枚限定でリリースされ、即完売。入手困難なプレミアアイテムとなりました。1989年にはCDで再リリースされ、オリコン1位を獲得。ミリオンセラーを達成しました。

評価

本作は、BOØWYのライブバンドとしての魅力を最大限に引き出した作品として、高い評価を得ています。氷室京介のボーカル、布袋寅泰のギターテクニック、高橋まことと松井恒松のリズム隊によるタイトな演奏は、いずれも絶品です。また、BOØWYがブレイク寸前の時期の音源が収録されている点も、貴重な資料として評価されています。

“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986 NAKED

2012年には、日本武道館公演の音源のみを収録した『“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986 NAKED』がリリースされました。本作は、オリジナル盤とは異なり、オーバーダビングを極力排し、当日のセットリストを忠実に再現しています。

BOØWYのデビュー30周年を記念してリリースされた本作は、ファン待望の完全版として話題を呼びました。アルバムジャケットは、オリジナル盤のデザインを踏襲しつつ、「NAKED」の文字が追加されています。

収録曲

PROLOGUE (SE)
BAD FEELING
ROUGE OF GRAY
IMAGE DOWN
JUST A HERO
JUSTY
BABY ACTION
ホンキー・トンキー・クレイジー
わがままジュリエット
DREAMIN'
NO. NEW YORK

参加ミュージシャン

氷室京介 (ボーカル)
布袋寅泰 (ギター)
松井恒松 (ベース)
* 高橋まこと (ドラムス)

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