あっちこっち丁稚

あっちこっち丁稚

『あっちこっち丁稚』は、1975年4月6日から1983年9月18日まで、朝日放送（ABCテレビ）で日曜昼に放送された公開形式のコントバラエティ番組です。日曜笑劇場の幕開けを飾る作品であり、シリーズ最長寿番組として親しまれました。

概要

舞台は大正時代の大阪。カステラの老舗「月菓粋 木金堂（げっかすい もっきんどう）」を舞台に、丁稚たちが繰り広げるドタバタ劇が人気を博しました。元々は『夕やけ笑劇場』内で週一回放送されていたものが、日曜笑劇場に移行したものです。夕やけ笑劇場時代は薬屋「阿勘堂」が舞台で、キャストはほぼ同じで設定が変更されていました。

番組には様々なお約束の展開がありました。例えば、小番頭役の室谷信雄が「こいさん」を見ると、バイオリンのクラシック音楽に合わせて踊り出すシーンや、丁稚たちが旦さんを「旦さん〜! 五郎造〜! 養子〜!」と呼んで、旦さんが「こらっ！ 御店の主人つかまえて『養子』とはなんや!!」と怒りながら登場するシーンなどがありました。また、御寮さんを呼ぶ時に「ご寮さん～! おスミ〜! 白豚〜!」と呼んで、「誰や！ いま『白豚』ゆうたんは!!」と御寮さんが怒るシーンも定番でした。

旦那さんの悪事がばれて押入れに隠れると、御寮さんが「どこに居てるんや!!」と丁稚たちに詰め寄り、利松（坂田利夫）が「旦さん、ここには居てはらしまへん」と押入れの前に立つ、というお約束もありました。

スポンサーは大正製薬で、番組末期には複数社提供となりました。2002年には間寛平芸能生活30周年を記念した平成版リメイク『寛平の帰ってきたあっちこっち丁稚』が放送され、2023年には「吉本新喜劇記念日2023」で令和版リメイクが行われました。

その他

オープニングコーナーも人気でした。初期は丁稚3人による漫才、その後は木村進と伝次郎による旗揚げゲームが行われました。中期以降はオール阪神・巨人と伝次郎が進行役となり、子供たちが対戦する尻相撲コーナーが設けられました。

本作は、上方コメディーの草分けである毎日放送制作の「番頭はんと丁稚どん」のリメイクとも言われています。

劇中には「伝次郎」というセントバーナード犬の実物大着ぐるみキャラクターが登場しました。後期には「知恵蔵」という茶色のセントバーナードも登場。「伝次郎」はテレビ朝日のバラエティ番組『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』にも出演しました。

放送開始当日は腸捻転解消に伴うネットチェンジ後で、当番組の後続枠には『新婚さんいらっしゃい!』が連結されました。

赤フン男

御寮さんが激昂した直後に登場する赤フン姿の男も、番組の名物でした。平泳ぎのポーズで舞台を横切る姿は、多くの視聴者に強烈な印象を与えました。後期には褌に「あきら」と書かれていました。夏休み時期には、赤フン姿の子供たちを引き連れて登場することも。

番組の人気を受けて、木村進はキンカンのCMに赤フン男として出演しました。

2002年平成版では三瓶が演じ、山田スミ子から「そんなん（ギャグ）はええから、とっとと行きなはれー!」と怒鳴られる、というお約束も再現されました。

出演者

木村進
内場勝則
間寛平
坂田利夫
吉田裕
前田五郎
烏川耕一
山田スミ子
未知やすえ
麻田ルミ
山本ゆか里
片山理子
酒井藍
谷しげる
林家小染
川畑泰史
花紀京
伴大吾
室谷信雄
高石太
辻本茂雄
楠本見江子
藤里美
すっちー
井上竜夫
うのりういち
泉ひろし
池乃めだか
浜裕二
信濃岳夫
淀川五郎
由利謙
安尾信乃助
千葉公平
木村あきら
三瓶
諸見里大介
藤原寛

その他、多くの吉本興業の芸人がゲスト出演しました。

関連項目

番頭はんと丁稚どん
吉本興業

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