いしいしんじ

石井慎二（いしい しんじ）

1966年2月15日生まれ、大阪府大阪市出身の日本の作家。本名は石井慎二。京都市在住。

人物

万代池のほとりで生まれ、4人兄弟の次男として育つ。父親は塾講師で、幼少期から物語を作ったり歌を歌ったりすることに親しんだ。
幼児生活団を経て大阪府立住吉高等学校を卒業。高校時代には画家を志すも、知人からの助言を受け、東京芸術大学の受験を断念。京都大学文学部仏文学科に進学し、1989年に卒業。その後、リクルートに入社し、雑誌編集者として勤務。

型破りな一面も持ち合わせ、「シーラカンスの刺身を食べてみたい」という衝動に駆られ、会社を休職してコモロまで足を運んだという逸話も持つ。この旅行で書き溜めた日記がきっかけとなり、著述活動を開始し、会社を退職。自身の小説の挿絵を自ら手掛けることもあるが、自身をイラストレーターとは考えていない。

炊き出しを求めて公園で寝泊まりしながら隅田川沿いで13年間過ごした後に、三浦市、松本市を経て、2010年2月から京都市に在住。双子の弟はカメラマンの石井孝典。

ペンネームを「いしいしんじ」とひらがな表記にしている理由は特にないとしているが、5歳の時に書いた処女作が「いしいしんじ」表記だったことが影響している。

愛着のある蓄音機を「コロちゃん」「ワンちゃん」「ムーンブーツ君」と名付け、大切に扱っている。

レコード収集、歌舞伎鑑賞、茶道（表千家）、落語鑑賞（ただし笑点メンバーは除く）を趣味とし、アドルフ・ヒトラーの『我が闘争』や赤塚不二夫の『天才バカボン』を愛読。バカボンのパパを理想の人間像として掲げている。

略歴

1994年: 『アムステルダムの犬』で作家活動を開始。
2003年: 『麦ふみクーツェ』で第18回坪田譲治文学賞を受賞。
2004年: 『プラネタリウムのふたご』が第17回三島由紀夫賞候補となる。
2004年8月8日: 結婚。
2006年: 『ポーの話』が第19回三島由紀夫賞候補となる。
2007年: 『みずうみ』が第20回三島由紀夫賞、第29回野間文芸新人賞それぞれの候補となる。
2009年: 『四とそれ以上の国』が第22回三島由紀夫賞候補となる。
2010年10月: 長男誕生。
2012年: 『ある一日』が第25回三島由紀夫賞候補となり、第29回織田作之助賞大賞を受賞。
2016年: 『悪声』が第29回三島由紀夫賞候補となり、第4回河合隼雄物語賞を受賞。
2021年1月: 読売新聞の人生案内の回答者を担当。

作品リスト

小説

『アムステルダムの犬』(講談社, 1994)
『なきむしヒロコちゃんはかもしれない病かもしれない』(講談社, 1995)
『とーきょーいしいあるき』(東京書籍, 1996) のち「東京夜話」として新潮文庫
『シーラカンス』(金の星社, 1997)
『ぶらんこ乗り』(理論社, 2000) のち新潮文庫
『トリツカレ男』(ビリケン出版, 2001) のち新潮文庫
『麦ふみクーツェ』(理論社, 2002) のち新潮文庫
『プラネタリウムのふたご』(講談社, 2003) のち文庫
『絵描きの植田さん』(ポプラ社, 2003) のち新潮文庫
『ポーの話』(新潮社, 2005) のち文庫
『白の鳥と黒の鳥』(角川書店, 2005) のち文庫
『雪屋のロッスさん』(メディアファクトリー, 2006) のち新潮文庫
『みずうみ』(河出書房新社, 2007) のち文庫
『四とそれ以上の国』(文藝春秋, 2008) のち文庫
『ある一日』(新潮社, 2012) のち文庫
『悪声』(文藝春秋, 2015) のち文春文庫
『港、モンテビデオ』(河出書房新社, 2015)
『よはひ』(集英社, 2016) のち集英社文庫
『海と山のピアノ』(新潮社, 2016) のち文庫
『赤ん坊が指指してる門』(子ども未来研究センター, 2016)
『みさきっちょ』(アタシ社, 2019) 画：長谷川義史
『マリアさま』(リトルモア, 2019)

エッセイ

『うなぎのダンス』(アスキー・アスペクト, 1998) のち河出文庫
『グレートピープル。ストレンジ。』(日之出出版, 2000)
『いしいしんじのキューバ日記』(マガジンハウス, 2006)
『いしいしんじのごはん日記』(新潮文庫, 2006)
『三崎日和-いしいしんじのごはん日記2』(新潮文庫, 2008)
『熊にみえて熊じゃない』(マガジンハウス, 2010)
『アルプスと猫 いしいしんじのごはん日記 3』(新潮文庫, 2010)
『遠い足の話』(新潮社, 2010)
『いしいしんじの音ぐらし』(シンコーミュージック, 2015)
『毎日が一日だ』(毎日新聞社, 2016)
『且坐喫茶』(淡交社, 2016)
『きんじよ』(ミシマ社, 2018)
『ピット・イン』(三栄, 2020)
『書こうとしない「かく」教室』(ミシマ社, 2022)

共著

『その辺の問題』(メディアファクトリー, 1998) のち角川文庫
『人生を救え!』(毎日新聞社, 2001) のち角川文庫
『人生を歩け!』(毎日新聞社, 2006)

翻訳

『いぬなんてだいきらい』(講談社, 1994)
『げんじものがたり』(講談社, 2021)

ラジオ番組

KBS京都ラジオ『いしいしんじのころがるいしのおと』
火曜 21:30 - 22:00 (2010年10月9日 - )
土曜 16:00 - 16:30 (2010年10月9日～2011年4月2日)
月曜 20:00 - 20:30 (2011年4月4日～2015年1月26日)
火曜 21:30 - 22:00 (2015年2月3日～2016年9月20日)
金曜 24:00 - 24:30 (2016年9月30日～)
ラジオ特別番組「ああ素晴らしき大衆音楽」(2010年5月28日) 大友良英
大友良英のJAMJAMラジオ 新春スペシャル公開生放送(2010年12月31日) USTREAMでも配信
森谷威夫のお世話になります！！(2011年12月28日)
ボクはコロちゃん 2012年5月26日'>[蓄音機] 蓄音機のコロちゃんがナビゲートし、小説家のいしいしんじと鈴木大拙元秘書の岡村美穂子が対談
NHKラジオ第2放送 『邦楽のたのしみ』(2009年6月 毎週土曜日)
インターFM 『ドントパスミーバイ』(2010年12月11日) 出演:根本敬×湯浅学×いしいしんじ

テレビ番組

週刊ブックレビュー
newsフェイス(2017年5月3日)

外部リンク

いしいしんじのごはん日記
いしいしんじさんインタビュー（ブックショート）
* いしいしんじ (@umiusi141) - X（旧Twitter）

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