おおしお (潜水艦)

おおしお（JS Ōshio, SS-561）

おおしおは、海上自衛隊が運用していた通常動力型の潜水艦で、計画番号はS115です。この艦名は「大潮」に由来し、旧海軍の朝潮型駆逐艦「大潮」に続く2代目の艦艇となります。おおしおと同型艦は存在しませんが、その後にあたる準同型艦のあさしお型潜水艦が建造されました。

来歴

海上自衛隊は1955年、アメリカ海軍から貸与されたガトー級潜水艦「ミンゴ」を初代「くろしお」として再就役させ、潜水艦戦力の整備に着手しました。続いて昭和31年度計画で、初代「おやしお」が国内で建造され、潜水艦の自国建造が再開されました。その後の第1次防衛力整備計画に基づき、局地防衛用の小型潜水艦の整備が進められ、やしお型やなつしお型が建造されたものの、荒天での運用において多くの制約がありました。

これにより、海上自衛隊はより大型で航洋性に優れた潜水艦の建造を決定し、本艦は「くろしお」の代艦として昭和36年度計画で建造されました。

設計

おおしおは、先代の「くろしお」と同様の技術を使用し、より大きなサイズに拡大した設計です。船体は水中高速型の航洋型に仕上げられ、複殻式の構造が基本ですが、後部は単殻式としスリム化が図られています。また、耐圧殻には、高張力鋼が全面的に使用されています。

推進方式はディーゼル・エレクトリック方式を採用し、2軸の推進器を搭載しています。使用されているディーゼルエンジンは川崎製で、出力向上を図ったモデルです。さらに電気推進は、富士電機製の主発電機と主電動機を各2基搭載し、長寿命化に進められた蓄電池を用いています。特に推進器は材質を変更し、改良が施されています。

装備

ソナーは他の潜水艦と類似の配置がされていますが、聴音機の位置が工夫されています。また、潜望鏡の高さは従来のものよりも増しており、視界を広げています。魚雷発射管については、艦首に6門、艦尾に2門設けられており、異なる発射方式が採用されています。魚雷の搭載数は相当数で、敵艦への攻撃能力を保持しています。

艦歴

おおしおは、1963年に三菱重工業で起工し、1965年に竣工しました。その後第1潜水隊群に加わりますが、1967年には充電作業中の火災事故が発生し、深度制限が設けられたこともありました。1970年には広島湾での接触事故があり、1971年にもハワイでの訓練に参加しました。

最終的におおしおは1981年に除籍され、翌年解体されることになります。解体前には艦内の撮影が許可され、多くの人々に親しまれた艦艇です。海上自衛隊の潜水艦の歴史の中で、おおしおはその独特な存在感を与えた重要な艦船となりました。

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