おニャン子クラブ ベスト

『おニャン子クラブ ベスト』：アイドル黄金期の軌跡を凝縮した一枚

1987年12月5日、ポニーキャニオンよりリリースされた『おニャン子クラブ ベスト』は、一世を風靡したアイドルグループ、おニャン子クラブの初のベストアルバムです。グループ活動期間中に発表されたシングル曲に加え、オリジナルアルバムから厳選された人気曲を収録した、まさに集大成と言える作品と言えるでしょう。

本アルバムの最大の特徴は、メンバーのソロ活動やユニット活動による楽曲を一切排除し、おニャン子クラブ名義の楽曲のみに絞って構成されている点です。これは、レコード会社主導による企画であり、グループとしての楽曲の充実ぶりを改めて認識できる内容となっています。

全16曲を収録したこのアルバムには、1985年から1987年にかけてリリースされた9枚のシングルA面曲が網羅されています。さらに、人気を博したオリジナルアルバム『PANIC THE WORLD』『SIDE LINE』『Circle』『KICK OFF』からの楽曲も選りすぐって収録されているため、おニャン子クラブの音楽的遍歴を存分に味わうことができます。

特筆すべきは、それまでコンパクトカセットのみで発売されていた企画盤『NON-STOP おニャン子』に収録されていた「早口言葉でサヨナラを」が、本アルバムで初めてCD化された点です。この楽曲は、CD化を待ち望んでいたファンにとって大きな喜びとなったことでしょう。

また、本アルバムと同時発売として、「ウェディングドレス」「セーラー服を脱がさないで」「じゃあね」の3曲を収録した12cmCDシングルもリリースされました。これは、ポニーキャニオンの新たな規格「CD SINGLE 3」の第一弾作品として注目を集めました。

1989年には、収録曲目は同一ながら、CDレーベル面をピクチャーレーベルに変更した『フォーエバー・アイドル・ベスト・シリーズ おニャン子クラブ』が発売されるなど、このアルバムの人気の高さが伺えます。

楽曲リストからは、秋元康氏による作詞、そして後藤次利氏、佐藤準氏、見岳章氏といった当時の著名な作曲家・編曲家陣が名を連ねていることが分かります。彼らの才能と、おニャン子クラブのアイドル性が見事に融合した、時代を象徴する名曲が数多く収録されています。

『おニャン子クラブ ベスト』は、単なるベストアルバムという枠を超え、1980年代のアイドル黄金期、そしておニャン子クラブという文化現象を象徴する作品として、多くのファンに愛され続けていると言えるでしょう。その音楽性、そして時代背景を理解することで、このアルバムの持つ真価をより深く理解できるはずです。

収録曲一覧（一部抜粋）

恋はくえすちょん
かたつむりサンバ
おっとCHIKAN!
お先に失礼
雨のメリーゴーランド
ハートに募金を
間に合うかもしれない
真赤な自転車
早口言葉でサヨナラを
およしになってねTEACHER
NO MORE 恋愛ごっこ
ウェディングドレス
夏休みは終わらない
じゃあね
瞳の扉
セーラー服を脱がさないで

…他多数

関連作品

* おニャン子クラブ大全集 for HiQualityCD 上・下巻 限定CD-BOX

このアルバムは、単に楽曲を収録しただけの作品ではなく、一つの時代、一つの文化現象を凝縮した、まさにタイムカプセルのような存在と言えるでしょう。当時を知る世代はもちろん、現代のリスナーにとっても、その魅力は色褪せることなく、新鮮な感動を与えてくれるはずです。

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