お祭りマンボ

お祭りマンボ

美空ひばりの「お祭りマンボ」は、1952年8月15日にリリースされたシングル盤レコードで、彼女の代表的な楽曲の一つです。この曲は、東京市日本橋区日本橋馬喰町出身の原六朗が、当時の流行していたマンボのリズムを取り入れ、江戸っ子のお祭り好きな気質をテーマに自ら作詞から作曲、編曲まで手がけました。

楽曲全体は非常にテンポが良く、聴く人を躍らせるような明るい雰囲気が漂っていますが、曲の終盤ではスローテンポに変わり、祭りの混乱の様子を描写します。歌詞には「家を焼かれたおじさん」や「ヘソクリ盗られたおばさん」といった悲しい状況が登場する一方で、最後には「（いくら泣いても）あとの祭りよ」というユーモラスなオチが見られます。このコントラストが、聴く人に深い印象を与え、多くの支持を得る要因となっています。

2019年時点では、美空ひばりのシングル売上において歴代17位にランクインされていることからも、この曲の人気が伺えます。彼女自身もこの楽曲を特に気に入っており、1988年の東京ドーム復帰公演や多くのテレビ番組で披露しました。

「お祭りマンボ」はその軽快なリズムが愛され、多くのアーティストにカバーされています。例えば、レコードデビュー前の少年隊が持ち歌として歌った「三味線ブギ」（市丸の「三味線ブギウギ」のリメイク）には一部の歌詞が参照されており、1991年にはジャニーズ事務所の男性アイドルグループ「忍者」が歌詞を一部改編した「お祭り忍者」としてカバーシングルをリリースしました。また、篠原ともえが2000年にリリースしたアルバム『ひばりトリビュート』でも同曲をカバーしています。

さらに、ひばりと深い親交を持っていた岡林信康も、2010年に発表したアルバム『レクイエム〜我が心の美空ひばり〜』でこの曲を取り上げています。台湾の歌手、白冰冰も日本語でのカバーをテレビで披露するなど、国境を越えて親しまれています。

フジテレビ系列の子供番組『ママとあそぼう!ピンポンパン』でもおねえさんが紹介したことがありましたが、1・2番の後半や3番の歌詞は省かれていました。また、1972年に公開されたザ・ドリフターズの主演映画『祭りだお化けだ全員集合!!』でも、ドリフによる替え歌が歌われています。

「神田の生まれで チャキチャキ江戸っ子」というフレーズは特に有名で、2015年からは東京メトロ銀座線神田駅の発車メロディとしても採用されています。このメロディは、永田太郎によって編曲されました。

同じく1953年には、原六朗が作詞・作曲・編曲を手がけた「チューチューマンボ」という楽曲もリリースされましたが、こちらは「お祭りマンボ」ほどの人気を得ることはできませんでした。

収録曲

• - オリジナル盤

- お祭りマンボ
- 月の幌馬車

• - 1957年盤

- お祭りマンボ
- ひばりの花売娘

「お祭りマンボ」は、その楽しいリズムと親しみやすい歌詞で、日本の音楽シーンにおいて重要な位置を占めている楽曲です。

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