かけはし大橋

かけはし大橋について

かけはし大橋は、長野県木曽郡上松町と木曽町を結ぶ、木曽川に架かる全長185mの逆ローゼ橋です。この橋は、国道19号の桟改良事業の終点部に位置し、以前は落石の危険性が指摘されていた旧道区間の代替として建設されました。1999年（平成9年）に発生した大規模な落石事故を契機に、抜本的な対策として事業化され、地域住民の安全な通行を確保する上で重要な役割を果たしています。

橋の概要

形式: 鋼逆ローゼ橋
活荷重: B活荷重
道路規格: 第3種第2級
設計速度: 60km/h
橋長: 185.000m
支間割: (25.000m + 19.250m + 4.500m + 108.500m + 4.500m + 21.250m)
アーチ支間: 108.500m
アーチライズ: 21.000m
幅員:
総幅員: 13.000m - 16.000m
有効幅員: 12.000m - 15.000m
車道: 9.500m - 12.500m
歩道: 片側2.500m
総鋼重: 912t
床版: 鋼・コンクリート合成床版（SCデッキ）
施工: 川田工業
架設工法: ケーブルエレクション斜吊り工法

この橋の特徴として、床版には合成床版であるSCデッキが採用されており、床組構造の簡略化が図られています。また、支柱間の対傾構を省略し、鉛直材と補剛桁を支承によって結合することで、構造の合理化を実現しています。

桟改良事業と橋の役割

桟改良は、国道19号が木曽川沿いの急峻な山間部を通過する旧道の代替として計画されたバイパス事業です。旧道では落石の危険性が常態化しており、特に1999年の落石事故は、抜本的な対策の必要性を強く認識させる契機となりました。桟改良では、起点付近のあげまつ大橋で木曽川を渡河し、かけはしトンネルなどの山岳部を通過した後、終点付近で再びかけはし大橋で木曽川を渡河し、現道に合流するルートが採用されました。

かけはし大橋は、この桟改良の終点部に位置しており、橋の完成により、安全で円滑な交通が確保されました。特に、SCデッキの採用は、工期短縮やコスト削減にも貢献しています。

歴史

桟改良事業は、1999年度（平成9年度）に事業化されました。かけはし大橋の上部工は、2006年度（平成18年度）に着手し、2009年（平成21年）7月27日に竣工しました。橋を含む延長0.7kmの区間が同年11月7日に開通し、その後、残りの2.0kmの区間が2014年（平成26年）3月29日に全通しました。

参考文献

吉田賢二、岡田正信、森井茂幸、井上康太朗、得永孝樹、大井祥之「桟4号橋の設計・製作・架設 〜構造の合理化, 製作・架設の工夫〜」（PDF）『川田技報』第29巻、川田工業、2010年

関連情報

あげまつ大橋：桟改良の起点付近に位置する橋梁
木曽の桟：国道19号の旧道区間であり、落石の危険性があった箇所

外部リンク

* 国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所 - 橋梁管理者

かけはし大橋は、地域住民の生活を支える重要なインフラであり、その建設には、多くの技術と工夫が凝らされています。

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