さくら隊散る

『さくら隊散る』は、1988年に公開された日本のドキュメンタリードラマ映画です。近代映画協会と天恩山五百羅漢寺が製作し、独立映画センターが配給を担当しました。この作品は、江津萩枝のノンフィクション『櫻隊全滅』を原作としており、1945年8月6日の広島への原爆投下によって命を落とした移動劇団「桜隊」の9人の役者とスタッフの被爆後の足跡を、再現ドラマと関係者の証言を通じて描いています。

監督・脚本は新藤兼人が務め、ナレーターは映画『原爆の子』で主演を務めた乙羽信子が担当しています。

物語は、原爆によって命を落とした劇団員たちの被爆後の行動を追いながら、当時の状況と彼らの心情を映し出します。再現ドラマでは、桜隊のメンバーを演じる俳優たちが、それぞれの役を熱演しています。証言部分では、劇団関係者や当時の状況を知る人々が登場し、彼らの言葉を通じて、悲劇の真相が明らかになっていきます。

ドラマ部分のキャスト

桜隊のメンバーとして、以下の俳優たちが登場します。

丸山定夫：古田将士
園井恵子：未来貴子
仲みどり：八神康子
高山象三：川島聡互
島木つや子：竹井三恵
森下彰子：水野なつみ
羽原京子：元松功子
小室喜代：北川真由美
笠絅子：坂上和子
槙村浩吉：及川以造
池田生二：川道信介
八田元夫：内堀和晴

日本移動演劇連盟からは、赤星勝美を黒川博之が演じています。
珊瑚座からは、乃木年雄を大林隆介が、沢道子を石川裕見子が演じています。
その他、藤堂を小坂井秀行、中井夫人を岩倉高子、羽原の父を江藤漢、羽原の母を上杉二美、散髪屋を広瀬昌助、太田怜を清水一男、清水善夫を内田正樹が演じています。

証言者

証言者として、以下の方々が登場します。

槙村浩吉（桜隊事務長）
池田生二（桜隊俳優）
利根はる恵（苦楽座女優）
赤星勝美（日本移動演劇連盟職員）
乃木年雄（珊瑚座座長）
葦原邦子（宝塚歌劇団18期生）
桜緋紗子（宝塚歌劇団19期生）
内海明子（芸名＝加古まち子、宝塚歌劇団28期生）


関連文献

新藤兼人『さくら隊8月6日；広島で被爆した若き新劇人たち』岩波ブックレット、1988年　ISBN 400003054X


外部リンク

さくら隊散る - allcinema
* さくら隊散る - IMDb（英語）

この映画は、原爆の悲劇を伝えるだけでなく、演劇に情熱を燃やした若者たちの姿を通じて、戦争の残酷さと平和の尊さを訴えかけています。ドキュメンタリーとドラマを組み合わせることで、観客はより深く物語に入り込むことができ、忘れ去られてはならない歴史を心に刻むことができるでしょう。

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