ささしまライブ24

ささしまライブ24

愛知県名古屋市中村区及び中川区に広がる「ささしまライブ24」は、かつて東海道本線の貨物駅であった笹島駅の跡地と、それに隣接する中川運河の船だまり周辺を対象とした大規模な都市再生事業によって生まれました。このエリアは、長年にわたり鉄道と水運を結ぶ物流の要として機能していましたが、1986年の笹島駅廃止後は、移動遊園地やサーカスといった一時的なイベント会場として利用されるに留まっていました。

再開発への転換

名古屋市の玄関口である名古屋駅や、既にオフィス・商業エリアとして発展していた「名駅」地区に極めて近いという、この地の地理的な優位性に着目し、名古屋市は商業や業務機能を核とした土地利用へと転換を図ることを決定しました。1999年には市主導による土地区画整理事業が開始され、再開発プロジェクトが本格的に始動します。

中核となる施設の整備においては、民間の活力を導入するため、開発事業者を公募による提案競技（コンペティション）で選定。その結果、豊田通商を中心とする企業グループと学校法人愛知大学の提案が採択されることとなりました。都市基盤の整備が進められた後、2017年にエリア全体の「まちびらき」が盛大に行われました。

沿革の主な流れ

1986年：国鉄笹島駅が廃止される。
1999年：笹島駅跡地周辺を含む地区計画「ささしまライブ地区計画」が策定される。
2000年：名古屋市が土地区画整理事業の事業計画を決定。
2004年：再開発を推進する「ささしまライブ24まちづくり協議会」が設立。同年、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線が開業し、地区内にささしまライブ駅が設置される。
2005年：愛知万博のサテライト会場「デ・ラ・ファンタジア」が開設される。また、国鉄清算事業団から鉄道建設・運輸施設整備支援機構が引き継いだ笹島駅跡地の土地が、名古屋市と都市再生機構（UR）に売却完了。
2008年：開発提案競技の結果が公表され、中核施設の事業者が決定する。
2009年：独立行政法人国際協力機構（JICA）中部国際センターが移転・開所。
2012年：愛知大学の名古屋キャンパスが開校。
2014年：「グローバルゲート プロジェクト」が国土交通省の民間都市再生事業計画として認定され、着工。
2016年：中京テレビ放送が本社を地区内に全面移転。
2017年：グローバルゲートが竣工し、中川運河沿いのキャナルパークが供用開始。同年10月、グローバルゲート全面開業と共に「まちびらき」イベントが開催される。

主な施設

地区内には、オフィス、商業施設、ホテル、MICE施設、大学、放送局、集合住宅など、多岐にわたる機能が集積しています。

グローバルゲート
大和ハウス名古屋ビル
名古屋コンベンションホール
名古屋プリンスホテル・スカイタワー
愛知大学 名古屋キャンパス
JICA中部国際センター
Zepp Nagoya
マーケットスクエアささしま（109シネマズ名古屋を含む）
中京テレビ放送 本社
ストリングスホテル名古屋
ロイヤルパークスERささしま（賃貸マンション）

アクセス

ささしまライブ24地区へは、JR・名鉄・近鉄の各名古屋駅から徒歩約10分程度でアクセス可能です。地区内にあおなみ線のささしまライブ駅があり、下車してすぐです。また、近鉄名古屋線の米野駅からも徒歩約7分、両駅間には歩道橋も整備されています。名古屋駅からは名鉄バスの「ささしまウェルカムバス」など、複数のバス路線も利用でき、交通利便性の高いエリアです。

新駅構想について

当地区の更なる利便性向上を目指し、過去にはJR東海道線と名鉄名古屋本線に新駅を設置する構想が存在しました。当初、比較的低額な建設費で実現可能と見込まれていましたが、耐震基準への対応や施工上の課題から費用が大幅に増加し、また再開発事業による保留地売却益を財源とする計画が地価下落の影響で困難になったため、一旦先送りされました。しかし、近年再び新駅設置の可能性を探る動きが見られます。

ささしまライブ24は、名古屋駅近接というポテンシャルを最大限に活かし、物流拠点から多様な機能を持つ新しい都心空間へと変貌を遂げた、名古屋を代表する都市再生事例の一つです。

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