さわやか信州号:大都市と北アルプスの玄関口を結ぶ季節運行バス
さわやか信州号は、アルピコ交通、京王バス、
東急バスの3社が共同運行する季節運行の
高速バスです。東京や大阪、京都といった大都市から、北アルプスの玄関口である上高地や安曇野、白馬エリアへのアクセスを容易にする重要な交通手段として、多くの登山客や観光客に利用されています。
運行形態の変遷
2012年までは、アルピコ交通の貸切バス部門が企画・運行する
ツアーバスとして運行されていました。しかし、2013年からは高速乗合バス(
路線バス)への移行を機に、コースや経由地の変更が行われ、より利便性の高い運行体制へと進化を遂げました。この変更に伴い、新宿―安曇野・白馬線は中央
高速バスの一系統に組み込まれ、京王バスとの共同運行が始まりました。
多様な運行ルート
さわやか信州号は、複数の都市から上高地や安曇野・白馬エリアへ向かう様々なルートを運行しています。それぞれのルートの特徴を以下にまとめます。
1. 東京方面からの路線
新宿―上高地線: バスタ新宿から上高地バスターミナルまでを結ぶ主要路線です。中央道を経由し、途中、新島々バスターミナルなどで停車します。上高地発の便は、さわんど車庫前と新島々バスターミナルでのみ停車します。運行会社はアルピコ交通と京王バスです。早朝便については、運行会社や座席仕様が年によって変更されています。
東京駅―上高地線: 東京駅八重洲南口発着で、新宿―上高地線と同様の経路を辿ります。
渋谷・二子玉川―上高地線: 渋谷駅と二子玉川駅から上高地へ向かう路線で、東急バスと京王バスが共同運行しています。2024年度からは、東急トランセから東急バスへの移管が行われました。
大宮・川越―上高地線: 2015年から2021年まで運行されていた路線で、大宮駅西口と川越駅西口から上高地へ向かう便でした。現在は運行されていません。
2. 大阪・京都方面からの路線
大阪・京都―上高地線: 大阪梅田、新大阪、京都駅烏丸口から上高地バスターミナルまでを結ぶ路線です。
大阪・京都―安曇野・白馬線: 大阪梅田、新大阪、京都駅から安曇野・白馬エリアへ向かう路線です。
3. 新宿方面からの路線(安曇野・白馬エリア)
新宿―安曇野・白馬線: バスタ新宿から安曇野、白馬エリアを結ぶ路線で、京王バスとアルピコ交通が共同運行しています。
新宿―扇沢線: 2016年から運行開始された路線で、
新宿駅から
扇沢駅までを結んでいます。京王バスとアルピコ交通が共同運行しています。
運行会社と歴史
さわやか信州号の運行には、アルピコ交通、京王バス、
東急バスが関わっており、それぞれの会社の役割分担や運行路線は年々変化しています。アルピコ交通東京の吸収合併や、
東急トランセの
東急バスへの統合など、企業合併なども運行体制に影響を与えています。早朝便の運行会社変更や座席仕様変更なども、利用者の利便性向上を目的とした取り組みといえます。
過去の路線
過去には、乗鞍高原ルートや立山・室堂ルートも運行されていましたが、現在は運行されていません。
さわやか信州号は、その運行形態や運行会社の変遷、そして多様な路線展開を通して、北アルプスへのアクセスを支え続けています。今後も、登山客や観光客にとって貴重な交通手段として、その役割を果たしていくことが期待されます。