しし座AD星

しし座AD星（AD Leonis）、またはグリーゼ388は、しし座の方向に位置する、地球から約16光年と比較的近い距離にある赤色矮星です。この星は、スペクトル型がM3.5Vの主系列星であり、特にその閃光星としての活動が特徴的です。

特徴

しし座AD星は、赤色矮星に分類され、スペクトル型はM3.5eVとされています。このスペクトルには輝線が見られ、その活発な活動を示唆しています。三角法による測定で、その距離は15.9光年、視等級は9.43とされています。

この星の質量は太陽の39%から42%であり、完全な対流層を持つとされています。半径は太陽の39%と小さく、自転速度も約3km/sと遅いですが、自転周期は2.24日と比較的短いのが特徴です。年齢は2500万歳から3億歳と推定されており、比較的若い恒星と考えられています。

1949年には、リック天文台のキャサリン・C・ゴードンとジェラルド・E・クロンによって、初めて変光が観測されました。しし座AD星は、既知の最も活発な閃光星の一つであり、閃光時に放出される放射はX線として観測されています。表面の磁流は約3kGであり、恒星黒点を除いた表面の約73%が活発な磁場領域で覆われています。X線によるコロナの測定では、恒星の大きさの約30%にも及ぶコンパクトなループ構造が観測されています。

伴星の探索

1943年にマコーミック天文台のダーク・ルーイルが行った固有運動の研究で、伴星の存在が示唆されました。しかし、1968年にスプロール天文台のサラ・リー・リッピンコットが行った研究では、この結果を確認することができませんでした。その後、1997年に行われた近赤外線スペックル干渉計による探索では、恒星から1から10天文単位を公転する伴星は検出されませんでした。また、2001年にコロナグラフで撮影された際にも、伴星は発見されませんでした。さらに、伴星の存在を示唆するような視線速度の変動も観測されていません。

銀河内での運動

しし座AD星は、銀河系内を0.028の軌道離心率で公転しています。銀河核に最も近い時は8442パーセク、最も遠い時は8926パーセクの距離に位置します。また、軌道傾斜角により、銀河面から最大121パーセクまで離れることが分かっています。

関連項目

近い恒星の一覧

脚注

注釈：なし

出典

* 特になし

しし座AD星は、その活発な閃光活動や比較的近い距離から、天文学的な観測や研究において重要な対象となっています。今後の研究によって、この星のさらなる詳細な情報や、閃光活動のメカニズムが解明されることが期待されています。

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