宇検村

鹿児島県奄美大島、自然と歴史が息づく宇検村

宇検村は、鹿児島県の奄美大島の中南部西岸に位置し、深い入江の焼内湾を中心に14の集落が点在する自然豊かな村です。大島郡に属し、村の総面積の90%以上が低山性の山地で、焼内湾の周囲に狭小な沖積平野が広がっています。

地理

村のシンボルとも言える湯湾岳は、奄美大島の最高峰であり、その美しい姿は奄美群島国立公園の特別保護地区に指定されています。また、奄美群島最大の無人島である枝手久島も、宇検村の豊かな自然を象徴する存在です。隣接する市町村としては、奄美市、大和[[村]]、瀬戸内町があります。

歴史

宇検村の歴史は、琉球国時代の屋喜内（焼内）間切の設置にまで遡ります。その後、1908年に島嶼町[[村制]]が施行され、焼内村が発足。1917年に宇検村と改称されました。第二次世界大戦後にはアメリカ合衆国の統治下におかれましたが、1953年に奄美群島が日本に返還され現在に至ります。

2003年には、村内在住の男性がカツオ漁中に遭難し、15日間の漂流の末に沖縄県沖で救助されるという出来事がありました。また、2004年には奄美大島地区合併協議会に参加しましたが、後に離脱。2022年には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、鹿児島県独自の緊急事態宣言が発令されました。

移民の歴史

宇検村は、過去に海外への移民を多く送り出しており、特にブラジルへの移民が多いことで知られています。1918年には、13家族54人がブラジルへ集団移住。戦中の中断を経て、1958年まで多くの人々がブラジルへ渡りました。現在、ブラジルのサンパウロ近郊には、宇検村出身の移民が多く暮らしており、村内には、ブラジル移民らの募金によって架けられた「伯国橋」があります。

無我利道場問題

1970年代には、石油備蓄基地建設に反対する住民運動から、ヒッピーグループが移住。その後、地元住民との間で対立が激化し、暴力事件にまで発展するという「無我利道場問題」が発生しました。この事件は、村内に大きな禍根を残し、和解が成立するまで長い時間を要しました。

行政

現在の村長は元山公知氏。村内には、小学校と中学校がそれぞれ4校ずつあります。

交通

最寄りの空港は奄美空港で、古仁屋港や名瀬港が利用されています。バス路線は、しまバスが運行しており、村の中心部と奄美市を結んでいます。

名所・旧跡・観光スポット

宇検村には、湯湾岳展望台、峰田山公園、アランガチの滝など、豊かな自然を満喫できるスポットが数多く存在します。また、船越海水浴場やタエン浜海水浴場など、美しいビーチも魅力です。

祭事・催事

宇検村では、浜下り、やけうちどんと祭り、豊年祭など、各集落で伝統的な祭事や催しが行われています。シバサシや、つなかがりゃー、むちむれなど、独特な文化を伝える行事も継承されています。

文化

村内には、「かんつめ節」や「ハイスリ節」など、独特のシマ唄が伝わっており、古くからの文化が大切に守られています。

経済

宇検村では、奄美大島開運酒造、奄美大島宇検農産、宇検村元気の出る公社、宇堅養殖などの企業が活動しており、黒糖焼酎やタンカンなどの特産品が生産されています。また、コミュニティ放送局のエフエムうけんが地域に密着した情報発信を行っています。

出身関連著名人

宇検村出身の著名人としては、大相撲力士の朝ノ海正清、唄者の石原久子や坪山豊、民法学者の好美清光、あまみエフエムパーソナリティの渡陽子、競輪選手の重一徳などがいます。また、シンガーソングライターの石野田奈津代が宇検村観光大使を務めています。


宇検村は、豊かな自然と独自の歴史、文化が息づく魅力的な村です。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

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