はなバス

西東京市コミュニティバス「はなバス」：地域を結ぶ、市民の足

「はなバス」は、東京都西東京市が運行するコミュニティバスです。2002年3月に運行を開始し、市内の主要駅や公共施設、住宅地を結び、市民生活に欠かせない存在となっています。この記事では、はなバスの概要、歴史、路線、車両、そして市民生活への貢献について詳しく解説します。

はなバスの概要

西東京市は、2001年に保谷市と田無市が合併して誕生した新しい市です。市内には西武鉄道の5つの駅があり、以前から西武バスと関東バスの路線バスが運行されていましたが、狭い道路が多く、バスの遅延や運行されない地域がありました。そこで、市民の利便性向上を図るため、コミュニティバスの再編が求められ、2002年に「はなバス」が運行を開始しました。

バスの運行は、西武バスと関東バスに委託されており、運賃収入が運行経費に満たない場合は、市が赤字分を補助金として交付しています。関東バスが担当する一部ルートでは、バスロケーションシステムに対応しており、バスの現在位置をリアルタイムで確認できます。

はなバスの歴史

はなバスの前身は、旧保谷市が1996年に運行を開始したコミュニティバス「キャンバス」です。キャンバスは、保谷市役所へのアクセスが不便な新町地区の住民のために運行されていました。西東京市への合併後も「西東京市キャンバス」として運行が継続されましたが、市民の利便性向上を図るため、コミュニティバスの再編が検討され、2002年に「はなバス」として新たに運行を開始しました。

キャンバスから、はなバスへ

はなバスの運行開始にあたり、市民からの公募により愛称が決定されました。車両デザインも一新され、地域ネットワークを表現した図柄と花が描かれ、「明るく夢あるまちにしたい」との期待が込められています。また、利用者にわかりやすくするため、各ルートにはラインカラーが付与され、路線図やバス停留所もラインカラーで色分けされました。

はなバスの路線

はなバスは、市内の4つの鉄道駅（田無駅、東伏見駅、ひばりヶ丘駅、保谷駅）と、市内の公共施設や住宅地を結ぶ4つのルートで運行されています。

第1ルート（北町循環）：保谷駅北口から市北部の下保谷・北町地域を循環します。
第2ルート（ひばりヶ丘駅 - 保谷庁舎 - 東伏見駅線、住吉・泉町循環）：ひばりヶ丘駅と東伏見駅を結び、保谷庁舎を経由します。
第3ルート（田無駅 - 東伏見駅線、向台循環）：田無駅と東伏見駅を結び、武蔵野大学を経由します。
第4ルート（田無駅 - 多摩六都科学館 - 花小金井駅線、田無駅 - 芝久保運動場 - 花小金井駅線）：田無駅から多摩六都科学館、花小金井駅方面を結びます。

はなバスの車両

はなバスには、水色を基調に、大人から子供まで様々な人のイラストと花があしらわれた専用車両が導入されています。これは地域のネットワークを表現しており、鮮やかで可愛らしいデザインは市民からも好評です。西東京市のキャラクター「いこいーな」を描いたラッピングバスもあります。

市民の足として定着

はなバスは、運行開始以来、乗車人員・輸送収入ともに順調に増加し、市民の足として定着しました。2003年には、国土交通省がまとめた報告書で、日本全国のコミュニティバスの中でも「導入効果が認められる事例」の一つとして取り上げられました。市民を対象に行なったアンケートでは、「西東京市になって良かったと感じること」の1位として「はなバスの運行など、交通の便が良くなったこと」が挙げられており、はなバスの存在は合併の成果として、市民から非常に高く評価されています。

まとめ

西東京市の「はなバス」は、地域住民の生活を支える重要な公共交通機関です。前身の「キャンバス」から受け継がれた地域への想いを胸に、これからも市民の足として、より便利で快適なサービスを提供し続けていくことでしょう。

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