ふじ3号

ふじ3号（Fuji-OSCAR 29、JAS-2）について

ふじ3号は、1996年8月17日に種子島宇宙センターから打ち上げられたアマチュア衛星です。この衛星は、ふじ1号およびふじ2号の機能を引き継ぎつつ、彼らの通信系機能をさらに拡張する形で設計されています。そして、この全ての開発と製造はNECによって行われました。

整備された衛星の概要

この衛星は日本アマチュア無線連盟（JARL）によって開発・運用されており、形状はおおよそ高さ47cmの26面体をしています。打ち上げは宇宙開発事業団（NASDA、現在の宇宙航空研究開発機構（JAXA））によって行われました。打ち上げ後は、南極上空での電波の発射確認に続き、東京都豊島区巣鴨の衛星追跡管制局にて、無事に衛星軌道に乗ったことが確認され、正式に「ふじ3号」と命名されました。初の運用は1996年8月19日から開始されています。

卫星の通信仕様

ふじ3号はアマチュア衛星局として「8J1JCS」という呼び出し符号を持っています。通信機能としては、音声や電信信号の中継、デジタルパケット通信の実施が可能で、特にデジタル系中継器を介した電子掲示板や電子メールもサポートしています。また、独自に設定可能なCWビーコン周波数は435.795 MHzで、出力は約1 Wです。

データ通信速度については、アップリンクが2相PSK式で1,200 bps、FSK方式による9,600 bpsも可能です。ダウンリンクではFM変調の手法を用いて通信が行われます。

機能と運用内容

衛星の姿勢制御には太陽センサ、地磁気センサ、磁気トルクコイル、制御用コンピュータが活用されています。これにより、スピン軸が軌道面に対して常に垂直に保たれるホイールモードで運用が行われます。この機能により、衛星は安定したデータ送信を継続することができます。さらに、アマチュア無線通信としては、アナログ及びデジタル両信号の中継を通じて国際親善にも寄与する役割を果たしています。

電源供給

電源系は最新のガリウムひ素太陽電池を使用しており、ニッケルカドミウム蓄電池（容量6 Ah）も搭載されています。これにより、衛星は安定した電力供給を受けつつ、継続して運用されることが可能となっています。

関連項目と外部リンク

ふじ3号は、アマチュア衛星やアマチュア無線だけでなく、一般的な人工衛星に関しても重要な実験と通信の枠を提供しています。他にも、多様な新通信システムや新型の太陽電池、半導体の宇宙実験が行われるプラットフォームの役割を担っています。詳細な情報については、宇宙情報センターやJARLの公式ウェブサイトなどからも確認可能です。

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