ふらのバス

ふらのバス株式会社：北海道富良野の地域公共交通を支える企業

ふらのバス株式会社は、北海道富良野市に本社を置くバス会社です。富良野市内を走る路線バスの運行、富良野市と旭川空港・旭川駅を結ぶ路線バスの運行、そして貸切バス事業を展開しています。地域住民の足として、また観光客の利便性向上に貢献する重要な役割を担っています。

歴史：旭川電気軌道からの事業継承

富良野におけるバス事業の歴史は古く、1928年（昭和3年）に吉本自動車による運行開始に遡ります。その後、複数の事業者が路線を運行していましたが、太平洋戦争中の事業統合を経て、戦後はしばらくバス運行が途絶えました。1952年（昭和27年）、旭川電気軌道が富良野営業所を開設し、路線バスの運行を再開しました。

旭川電気軌道は、富良野地区で路線バスを運行していましたが、モータリゼーションの進展や過疎化の影響を受け、経営は次第に悪化していきました。路線維持の困難さを抱える中、富良野市は旭川電気軌道と共同出資で第三セクター方式による新会社設立という選択をしました。この新会社が、現在のふらのバス株式会社です。

1983年（昭和58年）6月21日、ふらのバス株式会社は設立され、同年8月1日に営業を開始しました。旭川電気軌道富良野営業所の路線、車両、従業員を継承し、地域公共交通の維持に尽力しました。当初は厳しい経営状況が予想されましたが、徹底したコスト削減と、観光地の活性化による需要増加によって、1985年度には黒字を達成しました。

路線と事業：多様なニーズに対応

ふらのバスは、市内路線バスに加え、旭川空港・旭川駅と富良野を結ぶ快速バス「ラベンダー号」を運行しています。この路線は、観光客の利用も多い重要な路線です。また、近年では根室本線（富良野～新得間）の廃止に伴い、西達布線を延伸し、道の駅南ふらのや幾寅駅を新たに停留所として追加するなど、地域公共交通の維持に積極的に取り組んでいます。

その他、御料線、麓郷線、麻町線など、富良野市内を網羅する路線網を有しています。過去にはハイランド・ふらの線なども運行していましたが、利用状況の減少により廃止されました。観光シーズンには、観光客向けミニ観光バスなども運行していました。

貸切バス事業も展開しており、北海道全域をカバーしています。安全性の高い運行を心がけ、信頼性の高いサービスを提供しています。

車両：環境にも配慮

ふらのバスは、路線バスに日野ブルーリボンシティハイブリッド車などを導入し、環境への配慮も進めています。貸切バスは旭川電気軌道時代の塗装を継承し、伝統と近代性を兼ね備えています。

まとめ：地域に根付いたバス会社

ふらのバス株式会社は、地域公共交通の維持に貢献するだけでなく、観光振興にも大きく貢献しています。歴史と伝統を継承しつつ、時代の変化に対応し、地域社会に根付いた活動を続ける企業です。これからも、富良野地域の活性化に貢献していくことが期待されます。

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