ぶどう色2号

ぶどう色2号について

ぶどう色2号は、日本国有鉄道（国鉄）が定めた色名称の一つで、慣用色名称は「ぶどう色」とされています。マンセル値は「2.5YR 2/2」で表され、国鉄車両において「茶色」と表現される場合、通常はこのぶどう色2号を指します。

歴史

この色は、第二次世界大戦後、進駐軍が接収した客車の地色として、ミルクチョコレート色を指定したのが始まりとされています。その後、客車は赤みが強く明るいこの色に塗り替えられました。1959年（昭和34年）に正式に制定されるまでは、やや黒っぽく重厚なぶどう色1号が使用されていましたが、正式制定後に旧型の電気機関車や電車、客車は順次ぶどう色2号に塗り替えられました。

1979年（昭和54年）に登場した117系電車の帯色にも採用されたことから、関西急電色としても知られています。後継の221系電車では、JR西日本のコーポレートカラーであるブルーの帯と組み合わせるため、ぶどう色2号ではなくブラウン系の帯色に変更されました。さらに、223系・225系電車（阪和線向けを除く）では、窓周りにもブラウンが配され、アーバンネットワークの近郊型電車の標準色となっています。

近年では、イベント用やリバイバルカラーとして、主に機関車がこの色に塗装されるケースも見られますが、必ずしも過去にこの色に塗られていた車両とは限りません。

色の特徴

一般的に「ぶどう色」というと赤紫系統の色を指しますが、ぶどう色2号は赤系ながらこげ茶に近い色合いです。1998年には、身延線全通70周年記念として115系電車を身延線デビュー当時の「身延色」（赤2号・地元で「ぶどう色の電車」と呼ばれるワインレッド）に復元する際、名古屋工場での手違いでぶどう色2号に塗装されたというエピソードもあります。この電車は数日間営業運転した後、工場に戻って塗り直されました。

使用車両

ぶどう色2号は、以下の車両に使用されています。

旧形電気機関車各形式
旧形電車各形式
旧型客車各形式
JR西日本35系客車
国鉄117系電車（東海道・山陽本線）
国鉄205系電車（南武線・武蔵野線の帯色）
JR東日本209系電車（武蔵野線の帯色）
JR東日本E231系電車 (武蔵野線の帯色)
JR東日本E233系電車（南武線の帯色）

近似色

ぶどう色2号と類似した色としては、以下のようなものが挙げられます。

ぶどう色1号: ぶどう色2号が制定されるまで使用されていた、やや黒っぽい色です。
ため色（暗紅色）: EF58 61に使用されている色で、大宮工場が独自に調合したものです。
アメリカのグレート・ノーザン鉄道の車両塗装: この鉄道の車両塗装も、ぶどう色2号に近い色合いです。

関連項目

国鉄色
赤7号
* 阪急マルーン

ぶどう色2号は、国鉄車両の歴史において重要な役割を果たした色であり、現在でも鉄道ファンに親しまれています。

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