むつ小川原国家石油備蓄基地

むつ小川原国家石油備蓄基地：日本のエネルギー安全保障を支える巨大拠点

むつ小川原国家石油備蓄基地は、青森県六ヶ所村に位置し、日本のエネルギー安全保障において重要な役割を担う石油備蓄基地です。1973年のオイルショックを契機に、国家石油備蓄事業の第一号として建設されました。現在では、570万キロリットルの貯蔵能力を有し、これは日本の石油需要の約12日分に相当します。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が所有し、むつ小川原石油備蓄株式会社が操業業務を受託しています。

施設概要

基地には、11.1万キロリットルの貯蔵タンクが51基、3.7万キロリットルの中継タンクが4基設置されています。沖合のシーバースからむつ小川原港近くの陸上中継ポンプ場を経て、約6km内陸の貯蔵施設まで原油が移送されます。貯蔵施設は東西約3kmに及ぶ細長い敷地に広がっており、A地区に12基、B地区に18基、C地区に21基のタンクが配置されています。冬季の積雪対策として、タンク上への融雪設備も完備されています。

沿革

1979年12月10日 - むつ小川原石油備蓄株式会社設立
1980年11月 - 着工
1983年8月 - A地区部分完成
1985年9月 - 全面完成
* 2001年12月 - むつ小川原石油備蓄株式会社、本社を東京都から六ヶ所村に移転

謎の記念コイン騒動

基地の周辺地域では、表面に「日本国」「千円」、裏面に「むつ小川原国家石油備蓄基地開発事業記念」と刻印された謎の記念コインが出回っています。財務省や造幣局、青森県、石油天然ガス・金属鉱物資源機構にも発行記録がなく、発行者および製造者は2021年11月時点で不明です。この騒動は、2021年11月11日に『奇跡体験!アンビリバボー』でも取り上げられました。

このコインには発行年が刻印されておらず、金融機関での両替はできません。図柄は、表面に青森県の形とハクチョウ（県の鳥）、裏面に石油タンクや鉄塔が描かれています。桐箱に入ったものも存在し、金字で「記念」「青森県」「むつ小川原湖国家石油備蓄開発建設事業」と記されています。

調査を行った安藤健二氏は、当時問題となっていたむつ小川原開発計画に便乗した原野商法との関連性を推測しています。弁護士の村本武志氏もこのコインに関する情報は持ち合わせていませんでした。専門家は、このメダルを通貨として利用しても、通貨偽造罪には当たらないものの、通貨と誤解させるような使用法をした場合には詐欺罪に該当する可能性があると指摘しています。

一方で、ねとらぼの調査により、1981年頃に小川原湖周辺で頒布されたものである可能性が浮上し、地元での流通状況から原野商法の可能性は低いという見方も出ています。また、八戸駐屯地で流通していたことも確認されています。

むつ小川原国家石油備蓄基地は、日本のエネルギー安全保障を支える重要なインフラであると同時に、謎の記念コイン騒動という興味深い話題も提供しています。基地の役割と歴史、そして記念コインの謎は、地域の歴史や経済状況を反映していると言えるでしょう。

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