八戸駐屯地

陸上自衛隊八戸駐屯地

青森県八戸市に所在する陸上自衛隊八戸駐屯地は、第4地対艦ミサイル連隊を主力とする重要な駐屯地です。ここでは、その歴史、概要、そして周辺施設について詳しく解説します。

概要

八戸駐屯地は、第4地対艦ミサイル連隊長が司令を兼務しています。駐屯地の北東には八戸演習場が隣接し、また、六ヶ所対空射撃場は、六ヶ所対空射撃場管理隊によって管理されています。この駐屯地は、高射特科群や飛行隊が配置されており、青森駐屯地と並んで第9師団の中核をなす拠点となっています。

海上自衛隊八戸航空基地と隣接していますが、運用は完全に独立しています。ただし、ICAO空港コードは八戸航空基地と同じ「RJSH」が使用されています。

駐屯地内には、米軍占領時代に建設された教会や将校クラブが残されており、歴史的な背景を感じることができます。教会は現在、銃剣道の道場として利用され、将校クラブは戦術講堂と資料館「防衛館」として活用されています。防衛館の東側には、退役した74式戦車や61式戦車などの装備品が展示されており、訪れる人々は自衛隊の歴史に触れることができます。

26中期防以降、部隊の整理縮小が進められており、2023年3月末までに第5高射特科群と第4地対艦ミサイル連隊の3個中隊が廃止されましたが、2024年には再編が行われ、新たな体制が構築されています。

沿革

日本陸軍時代

1939年、旧日本陸軍の飛行場建設が始まり、1941年に八戸飛行場として完成しました。

アメリカ陸軍時代

1945年9月、アメリカ陸軍が進駐し、「キャンプ・ホーガン」と改称されました。この時期に大規模な拡張が行われ、現在の広大な敷地となりました。

1950年5月、朝鮮戦争の勃発により、駐留していた米軍部隊の大半が移動しました。

警察予備隊時代

1950年9月、敷地の一部が返還され、警察予備隊八戸駐屯地が開設されました。

保安隊時代

1952年10月15日、保安隊の発足に伴い、保安隊八戸駐屯地に改称されました。

陸上自衛隊時代

1954年7月1日、陸上自衛隊が発足しました。

1956年3月、米軍部隊の移駐に伴い、陸上自衛隊第5普通科連隊が青森駐屯地から移駐し、米軍部隊の撤収と自衛隊部隊の移動が行われました。

1956年5月、敷地全域が日本に返還されました。

1956年5月31日、第5普通科連隊の移駐完了をもって、陸上自衛隊八戸駐屯地が正式に発足しました。

その後、1957年に第9施設大隊、1959年に第122特科大隊が移駐し、部隊の編成が進みました。

1962年には、第9混成団第9航空隊が第9飛行隊に改編され、東北方面航空隊に編入されました。同年、第5普通科連隊が再び青森駐屯地に移駐し、第9師団の編成に伴い、第38普通科連隊と第39普通科連隊、第9戦車大隊、第9対戦車隊が新編されました。

1968年には第39普通科連隊が弘前駐屯地へ、1970年には第9戦車大隊と第9対戦車隊が岩手駐屯地へ移駐しました。

1972年には、第303無線誘導機隊が新編され、ホークミサイル群の編成準備室が開設されました。翌年、第5高射特科群が新編され、1988年には東北方面航空隊第2対戦車ヘリコプター隊が新編されました。

1994年、第9飛行隊が第9師団の隷下部隊となり、1996年には第4地対艦ミサイル連隊が新編されました。1998年、駐屯地司令職務が第4地対艦ミサイル連隊長に移管されました。

1999年、第38普通科連隊が多賀城駐屯地へ移駐し、第9対戦車隊が岩手駐屯地から移駐しました。

2006年には、東北方面混成団の新設に伴い、第38普通科連隊の一部が再移駐しました。

2010年、第9対戦車隊が廃止され、第4地対艦ミサイル連隊を支援する部隊が再編されました。

2018年、第5高射特科群が廃止され、第101高射特科隊が新編されました。その後、2019年には第4地対艦ミサイル連隊の一部が廃止されましたが、2024年に再編が行われました。

2025年度末には、第2対戦車ヘリコプター隊が廃止され、第110飛行隊（仮称）に改組される予定です。

駐屯部隊

八戸駐屯地には、以下の部隊が駐屯しています。

東北方面隊隷下部隊
第4地対艦ミサイル連隊
第9師団
第9後方支援連隊（一部を除く）
第9施設大隊
第9飛行隊
東北方面混成団
第38普通科連隊
第3普通科中隊
第4普通科中隊
第5高射特科群
東北方面航空隊
第2対戦車ヘリコプター隊
東北方面管制気象隊
第1派遣隊
東北方面後方支援隊
第307特科直接支援中隊
第303高射直接支援中隊
第301普通科直接支援中隊八戸派遣隊
東北方面会計隊
第384会計隊
東北方面システム通信群
第103基地システム通信大隊
第305基地通信中隊八戸派遣隊
八戸駐屯地業務隊
防衛大臣直轄部隊
東北方面警務隊
第123地区警務隊八戸派遣隊
陸上自衛隊中央輸送隊
第2方面分遣隊
第2端末地業務班

最寄りの幹線交通

高速道路: 八戸自動車道 八戸北IC
一般道: 国道45号、国道104号、国道338号、国道454号、青森県道8号八戸野辺地線、青森県道15号橋向五戸線、青森県道19号八戸百石線、青森県道29号八戸環状線
鉄道: JR東日本（東北新幹線/八戸線）・青い森鉄道線 八戸駅、青い森鉄道線 陸奥市川駅
港湾: むつ小川原港、八戸港（重要港湾）、大湊基地（海上自衛隊）
飛行場: 三沢[[飛行場]]（官民共用）

六ヶ所対空射撃場

青森県上北郡六ヶ所村に位置する六ヶ所対空射撃場は、八戸駐屯地業務隊が管理する対空射撃場です。ここでは、無線誘導標的機などに対し、地対空誘導弾や重機関銃の実弾射撃訓練が行われます。訓練支援部隊は、八戸駐屯地の第303無線誘導機隊が担当しています。

まとめ

八戸駐屯地は、その長い歴史の中で、多くの部隊が配置され、再編されてきました。現在も、東北地方の防衛を担う重要な拠点として、その役割を果たしています。周辺には六ヶ所対空射撃場があり、実弾射撃訓練も実施されています。

外部リンク

陸上自衛隊八戸駐屯地ホームページ
陸上自衛隊八戸[[駐屯地] - Twitter](https://twitter.com/hachinohe_camp)

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