めぐり逢い (1957年の映画)

映画『めぐり逢い』の魅力

映画『めぐり逢い』は、1957年にアメリカで制作された恋愛ドラマで、名匠レオ・マッケリーが監督を務めました。この作品は、1939年の映画『邂逅』のリメイクであり、同一のテーマを持つ物語が新たに映像化されています。主演には、ハリウッドの大スターであるケーリー・グラントとデボラ・カーが名を連ねており、二人の名演が観る者の心を掴んで離しません。

ストーリーの要約

物語の中心には、プレイボーイとして知られる二流画家のニッキーと、シンガーであるテリーがいます。彼らは、ニューヨーク行きのオーシャン・ライナーの旅の中で偶然出会います。初めはお互いに興味を持っていたものの、ニッキーの軽い誘いをテリーはかわしつつ、旅を通じて徐々に心を通わせていきます。

船の寄港先でニッキーの祖母の家に立ち寄ると、彼は祖母に白いショールを贈り、テリーも祖母と心を通じ合わせます。さらに、テリーが歌う「思い出の恋」に合わせて、二人は互いに強い感情を抱いていることに気づくのです。とはいえ、彼らは既に他者との婚約をしているため、複雑な感情が交錯します。結局、彼らは6ヵ月後の再会を約束し、別れを告げることになります。

半年後、エンパイア・ステート・ビルディングでの再会の約束の日、ニッキーは愛するテリーを待ち続けますが、彼女は現れません。その背後には、事故によって足が不自由になったテリーの状況が隠されていました。彼女は、ニッキーに負担をかけたくない思いから、彼女の現在の状態を知られないようにしていたのです。

運命の再会と真実

時間が経つにつれ、ニッキーはテリーを思い出しながらも新たな生活を始めようとしていました。しかし、運命は二人を引き寄せます。偶然バレエの観劇中に再会するものの、周囲には互いの婚約者がいる状況で、複雑な気持ちが芽生えます。後にニッキーはテリーの居場所を突き止め、クリスマスに訪れます。そこで彼は、祖母から託されたショールを渡し、彼女が抱える秘密に気づくことになります。そして、さらに話が進むにつれて、彼が描いた絵がテリーと直接結びつくことを理解し、ようやく誤解が解けます。

二人はお互いの変わらぬ愛を認識し、感動的な抱擁を交わします。彼らにとって、失われた時間は愛によって取り戻され、心の傷も癒やされていくのです。

リメイク作品と影響

『めぐり逢い』は、1957年の公開以来、様々な作品に影響を与えています。特にノーラ・エフロン監督の「めぐり逢えたら」（1993年）はこの映画のモチーフとして描かれ、さらに1994年にはウォーレン・ベイティとアネット・ベニングが主演するリメイク作品も制作されました。これにより、オリジナル作品は新たな世代の観客に受け継がれています。

音楽とその他の媒体

映画の中でデボラ・カーが歌う主題歌「過ぎし日の恋」は特に印象的で、歌唱者のマーニ・ニクソンによる吹き替えで知られています。この名曲は多くの観客に愛され、作品の感動をさらに引き立てています。DVDやBlu-rayなど、さまざまなメディアでの配信も行われ、時代を超えた魅力をもっています。

映画『めぐり逢い』は、愛と運命、再会の物語を見事に描き出した作品であり、今なお多くの心に残る名作です。

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