レオ・マッケリー

レオ・マッケリー：アメリカ映画界の巨星

レオ・マッケリー（Leo McCarey、1898年10月3日 - 1969年7月5日）は、アメリカの映画監督、脚本家、映画プロデューサーとしてその名を広く知られています。彼の本名はトーマス・レオ・マッケリーです。彼は映画界で数々の名作を生み出し、そのスタイルは多くの後進に影響を与えました。

生い立ちと初期の経歴

マッケリーはカリフォルニア州ロサンゼルスにて育ちました。幼少期はカトリックの教育を受けており、一時は弁護士を目指し南カリフォルニア大学を卒業しました。しかし、弁護士としてのキャリアには恵まれず、鉱山開発に挑戦するもこれも成功しませんでした。1920年、ユニバーサル映画に入社し、トッド・ブラウニングの下で助監督として新たなキャリアをスタートさせました。

コメディの巨匠として

1923年、ハル・ローチの誘いを受け、マッケリーはコメディというジャンルで自身の才能を発揮し始めます。短編映画を手掛ける中で、特にスタン・ローレルとオリバー・ハーディの名コンビを誕生させうるまでに成長しました。『極楽危機一髪』や『極楽珍商売』などの作品が大ヒットし、彼はスラップスティック・コメディの名手として名を馳せました。この期間、後に名監督となるジョージ・スティーヴンスも彼のプロジェクトに関わっていました。

映画監督としての転機

マッケリーはその後、トーキー作品の時代になっても多くのコメディ作品を手がけ、エディ・カンター、メイ・ウエスト、ハロルド・ロイド、マルクス兄弟といった著名なコメディアンたちと共にした名作を次々と生み出しました。

特に1935年の『人生は四十二から』は、彼のスタイルを変える大きな作品となり、アメリカン・デモクラシーを高らかに歌い上げました。この作品以降、マッケリーはフランク・キャプラのような、ヒューマニティとセンチメンタリズムが反映された映画制作へとシフトします。

アカデミー監督賞を受賞した作品

1937年には『新婚道中記』を発表し、見事アカデミー監督賞を獲得。彼はこの時、自身の作品「明日は来らず」にも大きな自信を持っていましたが、興業的には失敗に終わりました。後にこの映画は小津安二郎の『東京物語』に影響を与えると言われています。続く1939年に制作した『邂逅』は、そのクオリティが高く評価されました。

名声の絶頂とその後

マッケリーは1944年にビング・クロスビーを主演に迎え、映画『我が道を往く』を監督しました。この作品は驚異的な成功を収め、アカデミー賞7部門を獲得し、彼自身も2度目の監督賞を受賞しました。続編『聖メリーの鐘』も大ヒットを記録し、彼の名声は確固たるものとなりました。

トンネルの先に

1950年代に入ると、彼のキャリアは次第に下降線をたどりますが、1957年には『邂逅』のリメイクである『めぐり逢い』を発表し、再びその腕前を証明しました。その一方で、ハリウッドでは赤狩りの影響を受け、多くの反共産主義的作品が制作されていました。

1969年、レオ・マッケリーはこの世を去りましたが、彼の映画界への貢献や数々の名作は今なお人々に語り継がれています。彼の作品は、時代を超えて愛され続けることでしょう。

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