やすしの度胸一発

やすしの度胸一発



『やすしの度胸一発』(やすしのどきょういっぱつ)は、1985年に日本のTBS系列で放送された深夜のバラエティ番組です。特定の司会者のパーソナリティに焦点を当てたトーク形式の番組として企画されました。

番組概要



この番組は、1985年の4月から9月にかけて、毎週土曜日の深夜に放送されました。当時、同じ時間帯で放送されていた松山千春氏の番組『ハロー!ミッドナイト』の後を受けてスタートしました。当初はTBSにおける関東ローカル向けの番組として企画され、放送が開始されました。番組の顔として、人気漫才師であった横山やすし氏が起用され、彼の個性を前面に出した内容が期待されていました。

短命に終わった背景



しかし、番組の放送はわずか半年で終了するという結果に終わりました。その背景には、番組司会を務めた横山やすし氏の行動に起因する様々な問題がありました。伝えられるところによると、やすし氏はしばしば酒に酔った状態で番組に出演し、その結果、収録中に共演者やゲスト、さらには番組スタッフに対して非常に強い言葉遣いや、時には暴言とも取れる発言を繰り返すことが頻発しました。これにより、番組の進行が困難になることや、スタッフとの間で衝突が起きるなど、制作現場は混乱を極めたとされています。

番組側も、こうした状況を打開するために、タレントの山田スミ子氏をキャスティングしてテコ入れを図るなどの対応を試みましたが、根本的な改善には至りませんでした。最終的に、当時のTBS編成部は、生放送形式のトーク番組、特に特定の出演者に依存する形態は、局にとって長期的な財産になりにくいと判断したとされ、このことが番組の打ち切りを決定づける大きな要因の一つとなりました。こうして、『やすしの度胸一発』は半年という短い放送期間をもって幕を閉じ、後番組として三宅裕司氏らが出演する『冗談ストリート』がスタートしました。

地方局での放送とネットワーク



『やすしの度胸一発』は、当初関東ローカル番組として始まりましたが、実際にはTBS系列の地方局でも放送されていました。確認されている例としては、広島県を放送対象地域とする中国放送(RCC)が、当時の山陽新聞のテレビ欄によれば、土曜深夜(日曜未明)の0時05分から放送していた記録があります。また、当時の番組宣伝ポスターには、「日本のお茶の間を結ぶ最高のネットワーク-TBS系」というキャッチフレーズとともに、TBSテレビ中国放送に加え、北海道放送(HBC)、東北放送(TBC)、静岡放送(SBS)、中部日本放送(CBC。現:CBCテレビ)、毎日放送(MBS)、山陽放送(RSK。現:RSK山陽放送)、RKB毎日放送(RKB)といった、多くの系列局のロゴが掲載されていました。これは、番組に対する当初の期待感や、広範なネットワークでの展開が視野に入れられていたことを示唆しています。

番組に対する評価



作家の小林信彦氏は、この番組について特に印象的な評価を残しています。氏は、番組を「酒に酔った横山やすしが、招かれたゲストや懸命に番組を作ろうとするスタッフに対し、次々と暴言を吐きまくる、ある種の恐ろしさを伴った番組だった」と評しています。さらに小林氏は、番組が短期間で失敗に終わった理由として、制作側が横山やすし氏の持つ多様な魅力や才能を引き出そうとせず、ただ彼の毒舌という側面ばかりに頼って番組を構成しようとした姿勢が、散々な結果を招いたのではないかと分析しています。

主な出演者



横山やすし
西川きよし
大平サブロー
大平シロー
山田スミ子

関連事項



ジッポーパーク: 番組のプロモーション活動の一環として、特製のジッポー(Zippo)製ライターがノベルティグッズとして製作され配布されました。

(出典情報は省略します)

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