りおでじゃねろ丸

りおでじゃねろ丸の歴史

りおでじゃねろ丸（Rio de Janeiro Maru）は、かつて大阪商船および大阪商船三井船舶が所有し、貨客と貨物を運航していた船です。この船は時代の波に乗りながら、数々の重要な役割を果たしてきました。初代の「りおで𛁈゙やねろ丸」は、1929年に三菱長崎造船所で起工され、1930年に竣工しました。特筆すべきは、この船が西回り南米航路のために設計され、多くの移民を輸送したことです。しかし、太平洋戦争の影響を受け、特設潜水母艦として使用されることとなり、1944年にトラック諸島で空襲によって沈没しました。

初代「りおで𛁈゙やねろ丸」の功績

りおで𛁈゙やねろ丸は、1930年代に西回り南米航路の拡大に寄与しました。大阪と南米の間を結ぶ航路で、年間11回の配船が行われました。特に、従来の航海日数を63日から46日に短縮する技術革新をもたらしました。一方で、船内での麻疹流行や座礁事故、移民客を運ぶ際の爆発事故といった不運もあり、乗客や船員たちは厳しい運命に直面しました。

太平洋戦争での活躍

1940年代に突入すると、りおで𛁈゙やねろ丸は日本海軍に徴用されます。そして、特設運送船として再編成され、後に特設潜水母艦となりました。艤装工事を受けた後、さまざまな武装が施され、海軍の任務に従事します。日本海軍の艦隊において重要な役割を果たしましたが、戦局の悪化と共にその役割は厳しさを増しました。

沈没の運命

1944年2月17日、りおで𛁈゙やねろ丸は空襲に遭い、二番船倉に爆弾が命中。火薬庫に引火し、炎上の末に沈没しました。現在、その残骸はウマン島近くの海底に横たわっており、原形を保ちながらも、海洋生物によって覆われています。船が沈没した際、乗組員は多くの困難に直面したことでしょう。

二代目「りおでじゃねいろ丸」の特徴

二代目を名乗る「りおでじゃねいろ丸」は、1965年に名村造船所で建造されました。前代とは異なり、この船は大阪商船三井船舶設立後に造られた唯一の貨物船で、特に設計においても後方に機関部が配置された独特の構造を持っていました。1979年にはギリシャの会社に売却され、国際的に活動を続けましたが、1986年に解体されました。

まとめ

りおでじゃねろ丸とその後継船は、日本の航海史の中で重要な位置を占めています。移民の夢を運び歴史の荒波を乗り越えてきたこの船は、多くの人たちの記憶に刻まれ、二度にわたって異なる時代の象徴となっています。海底に眠る船の残骸は、その歴史を物語る貴重な証拠となっています。

もう一度検索