わかれ雲

『わかれ雲』は、1951年に公開された五所平之助監督による日本映画です。この作品は、監督の五所平之助自身も脚本に参加し、館岡謙之助、田中澄江とともに物語を紡ぎました。製作は平尾郁次、波根康正、内山義重が担当し、撮影は三浦光雄、音楽は斎藤一郎、美術は久保一雄が手掛けるなど、当時の映画界を代表する才能が集結しました。

物語を彩るキャスト陣には、沢村契惠子役を演じた藤村眞砂子をはじめ、大塚道子役の澤タミ子、岩崎加根子役の山下茂子、宮崎恭子役の仲田久子、関弘子役の三木芳子といった女優たちが名を連ねています。また、沼田曜一役には南猛、川崎弘子役にはおせん、三津田健が藤村良平役、福田妙子が藤村玉枝役を演じ、脇を固める中村是好、岡村文子、倉田マユミ、谷間小百合といった俳優たちの存在も、作品に深みを与えています。

映画の撮影は三浦光雄が担当し、斎藤一郎が音楽で彩りを添えました。美術を担当した久保一雄は、この作品を含む『どっこい生きてる』の功績により、第6回毎日映画コンクールでスタッフ部門の美術賞を受賞しています。録音は長岡憲治、照明は石川緑郎、編集は長沢嘉樹、スチルは秋山庄太郎が担当しました。

『わかれ雲』は、1951年の公開当時から高い評価を受け、映画史においても重要な作品として位置づけられています。監督の五所平之助は、この作品で、人間の繊細な感情や社会における人々の葛藤を丁寧に描き出しました。脚本、演出、そして俳優たちの演技が一体となり、観る者の心に深く残る作品となっています。

この映画は、公開から年月を経てもなお、多くの映画ファンに愛され続けています。それは、普遍的なテーマを扱いながらも、時代を超えた感動を観客に与える力があるからでしょう。映画の持つ力、そして芸術としての価値を再認識させてくれる作品です。映画『わかれ雲』は、日本の映画史に燦然と輝く名作として、後世に語り継がれていくことでしょう。

スタッフ
監督: 五所平之助
脚本: 館岡謙之助、田中澄江、五所平之助
製作: 平尾郁次、波根康正、内山義重
撮影: 三浦光雄
音楽: 斎藤一郎
美術: 久保一雄
録音: 長岡憲治
照明: 石川緑郎
編集: 長沢嘉樹
スチル: 秋山庄太郎

キャスト
沢村契惠子: 藤村眞砂子
大塚道子: 澤タミ子
岩崎加根子: 山下茂子
宮崎恭子: 仲田久子
関弘子: 三木芳子
沼田曜一: 南猛
川崎弘子: おせん
藤村良平: 三津田健
藤村玉枝: 福田妙子
旅館山田屋の主人: 中村是好
おとき: 岡村文子
とし枝: 倉田マユミ
お清: 谷間小百合

受賞歴
1951年 第6回毎日映画コンクール スタッフ部門美術賞 久保一雄『どっこい生きてる』、『わかれ雲』

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